story:83 ページ37
.
鷹岡に来い、と命令された渚は素直にそれに従った。この前のリターンマッチをするとそいつは言った。そして、渚に土下座を要求した。
何が誠心誠意だ。何が本心だ。あれは全て渚の実力。渚に実力がないだなんて見抜く力もないくせに
渚がちに頭をつけているのを見るだけで、腹立たしかった。すぐにでも鷹岡に手を下したい程に。
渚の土下座に満足した鷹岡は 狂った顔で狂ったことを言い出した。
「あのウイルスで死んだやつがどうなるか、スモッグの奴に画像を見せてもらったんだが…笑えるぜ。全身デキモノだらけ。顔面がブドウみたいに腫れ上がってな」
___見たいだろ？渚君。
そう言って鷹岡は解毒剤が入ったトランクを投げ、爆破した。
ｶﾞｼｬ､ｶﾞｼｬ と破片の音に呆気に取られる。
渚は、寺坂を見た。ウイルスに感染していた、彼を
「殺…してやる…殺してやる…よくも皆を…」
足下のナイフを手に取った渚の目は殺意に満ちていた。温厚な渚がキレるほどの出来事。それほどまでに、皆が大切なのだ。
そんな彼に鋭い痛みが走った。
殺せんせーに言われるまでもなく、渚の頭を冷やすために寺坂はスタンガンを頭めがけて投げたのだ。
「チョーシこいてんじゃねーぞ 渚ァ!!」
渚に向かって寺坂が吼える。
寺坂にしては、マトモな、正論で。
「そんなクズでも息の根止めりゃ殺人罪だ。テメーはキレるに任せて百億のチャンス手放すのか？」
そして、寺坂の言う通りだと殺せんせーも説得をする。そこで、寺坂は熱に倒れた。
「…やれ渚。死なねぇ範囲でブッ殺せ」
苦しい身体を持ちながら、寺坂はそう言った。
その一言で渚の目の色が変わった。
渚は殺せんせーの指示に従い、スタンガンを手に取った。そして、スタンガンを仕舞い、一歩近づく___
「あぐッ」
今の鷹岡にはどんな攻撃も蚊ほどだ。渚に対する怨みが増幅して完全に戦闘モードに入っているのだ。
体格差、経験、技術___
全てにおいてまだ数ヶ月しか訓練をしていない私たちには到底及ばぬ存在だった。
「へばるなよ。今までのは序の口だぞ。さぁて、そろそろ俺もこいつを使うか」
鷹岡はそばに置いてあった鞄を漁り、あるものを取り出した。
___ナイフだ。
渚に与えたものと同じ、鋭く光るナイフ。
「烏間先生!!もう撃ってください!!渚死んじゃうよあんなの!!」
構える先生に、カエデが小声で言う。
「待て…手出しすんじゃねー」
それを遮ったのは、寺坂だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗奈 - 一気読みさせてもらいました！とても読み進めていくことが楽しくてカルマくんと夢主の距離が徐々に縮まっていく様子もとても好きです！更新楽しみにしています！！ (2019年5月23日 10時) (
レス) id: 1a4bad23fa (このIDを非表示/違反報告)
トモナ(プロフ) - この小説 設定とか大好物すぎて尊さを感じながら読まさせていただいてます！好きです！！！(直球)今後の展開も楽しみに全裸待機させていただきます (2019年4月8日 9時) (レス) id: 0af9634ca6 (このIDを非表示/違反報告)
桜桃(プロフ) - サクラさん» 渡辺さんは前世を思い出す前の夢主ちゃんなんです！同化したというよりは渡辺さんが前世を思い出したっていう感じです！思い出す前は冷静沈着でしたが、今はヲタク精神が勝って暗殺教室の世界を前世以上に楽しんでいる感じです。分かりずらくてすみません(--;) (2019年4月7日 16時) (レス) id: 225ebd0e98 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - この世界の渡辺さんは今、どうなっているんですか？ 夢主と同化したんですか？ (2019年4月6日 8時) (レス) id: fa117b4385 (このIDを非表示/違反報告)
07狐 - いきなりの告白ww恋愛フラグが見事に立ちました(名前)選手!!更新頑張って下さい!!ついでに結婚し(ry (2019年3月30日 7時) (レス) id: 264f07ee06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜桃 | 作成日時：2019年2月3日 11時
