目が覚めたらそこは「暗殺教室」でした。【暗殺教室】 (ページ38)

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「では私はこれを頂きますね」

そう言って私は取った品を見せびらかした。
それは兄が大切に取っていた超高級スイーツで有名なお店のカップケーキだ。並んでもめったに買えないらしいところだ。

「お、おい！それは俺が買ったんだぞ！」

「あら？ここの冷蔵庫にありましたわよ？記名もないですし…誰のでもないのでは？」

笑顔でそう言うと、兄の完璧顔が崩れた。自分で言ったことには責任を取ってもらいたい。

「こっちが下手に出れば調子乗りやがって…っ」

兄はそう言うが、どこが下手に出ていたのか私には全くわからない。誰か説明してくれ。

「あら、暴力はいけませんわ。お兄様。私が訴えれば裁判沙汰ですわよ」

丁寧な言葉で挑発するのはなんと楽しいことか。ストレス解消にはもってこいだ。

「その変な口調もやめろ！！虫唾が走る！！」

煽てられて喜ぶと思っていたが違うらしい。
やめろと言われたので、私はいつも通りの口調でいくことにした。

「じゃあクソ野郎。このスイーツ返してほしけりゃ今食ってんのと同じのを今すぐ買ってこい。なかったら他のバーゲンの期間限定でいいから」

「あ？なんで俺がそんなことしなきゃいけねーんだよ」

「じゃあこれは私が食べるから」

「卑怯だぞ！人が並んで買ったもの横取りするなんて！」

みっともなく喚くので、私は無言でスイーツの蓋を開け、ぐちゃぐちゃにかき混ぜた。

「そんなに行くのが嫌なら返してあげるわよ。せいぜい味わって食べれば」

口の中に入れば一緒という私の考えによりかき混ぜられた美味しいスイーツはどんな気持ちであろうか。本当にごめんよ、スイーツ。今度綺麗な形で食べてあげるね。

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