強すぎるだろ【御影玲王】

１２話 ページ12

今日は久々に寝坊した。

昨日遅くまで起きてたからかな…


叔母
「Aちゃーん、ご飯出来たわよー！」

『今行くー』


寝癖が無いか鏡で確認すると
頭には包帯が巻かれていた。


そう言えば昨日怪我したんだった…

３日は外さないよう言われたけど
学校で皆に見られるの恥ずかしいな…


１０分後、叔母に見送られながら家を出た。


…気のせいかな、視線を感じる気がする…

やっぱり包帯目立つよね…


───


学校に着き廊下を歩いていると
前の女の子がハンカチを落とした。

１年生の子かな。


『これ落としたよ』


肩を叩いて声をかけるとその子は
ゆっくり後ろを向いた。

確かトイレで水をかけられたあと
廊下でぶつかった子だった気がする。


私の顔を見て震え出したかと思うと
泣きそうな顔になり、

「…ご、ごめんなさいｯ…！！」

…っと大声で叫んで走って行ってしまった。


取り残されたハンカチは先生に渡しておくとして…

私の顔を見て逃げるなんてどうしたんだろう…？


───


今日はやけに教室が騒がしい。

何か面白いことでもあったのかな？


ドアを開けると先程までザワザワと
していた教室が一瞬で静まり返った。


『…ぇ』


いきなりのことで私も思考が停止してしまう。

暫く沈黙が続き、やっと誰かが喋ったかと思うと
衝撃的なことを口にした。


「き、昨日空き巣を半殺しにしたって本当か…！？」


…ん？半殺し…？


「俺は腕の骨を粉々にへし折ったって聞いたぞ…！」

「ぉ、俺は空き巣を窓から投げ捨てたって…！」


『…ちょっと待って、なにその話』


「学校中で噂になってんぞ、澤部の家に来た
空き巣を返り討ちにしたって」


情報回るの早くない…？


「それで結局どの噂が正しいんだ？」


『全部違うよ…半殺しにしてないし、
腕も折ってない、ましてや投げ捨てるなんて…』


「でも返り討ちにはしたんだろ？」


『…一応』


「うぉぉ…！カッケェ…！！」

「スゲェじゃんお前…！！」


褒めてくれてる…？

悪い気はしないけど恥ずかしいな…


澤部
「…おはようAさん、どういう状況？」

『昨日のことがもう噂になってるみたい…』


澤部
「あぁ…(察し)」


すると教室のドアが大きな音を立てて開いた。


玲王
「A…！空き巣の顔が変形するまで殴って
全裸で夜の街を散歩させたって本当か…！？」



…そんなことしません。

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