強すぎるだろ【御影玲王】

２話 ページ2

玲王side



廊下を歩いていると女子トイレから
笑いながら出て来た女たちと出くわした。


「あっ…！玲王くん！」

「ねぇねぇ！今日の放課後一緒に勉強しない？」


玲王
「あー…ごめん、今日は用事ある」


「そうなんだ…また空いてる日教えてね！」

「じゃあまた明日！」


…今日は一日ヒマだけどな。

下校の時間まであと20分あるし。
なにして時間潰そう…


なんか面白いこと起こればいいんだけどな。



例えば…


「あっ、ごめーん、ぶつかっちゃったー」

「あははっ！やりすぎ〜」


『…こちらこそすみません』


…こんな事とか。



アイツは一部の女から毎日イジメられている。
今日はトイレで水をぶっかけられたらしい。

可哀想だよな。

周りの奴らは誰も助けようとしないし。


玲王
「A…！」


まぁ全部俺のせいだけど。


『あ、御影くん…』


玲王
「大丈夫か…！？」


『うん、ちょっと水かぶって怪我しただけだから』


俺はAが好きだ。勿論恋愛対象として。

でもコイツには”恋”と言う感情さえ
存在しているのか怪しい。


俺はAを手に入れる為ならなんだってする。


だからワザと人前で仲良くして周りの女たちに
敵意を抱かせたんだ。あとはイジメられて
心身共に弱ったAを俺が助ける。


これでAに「自分にはこの人しかいない」
って思い込ませてやるつもりだった。



でもAは…


『…トイレの掃除中って知らずに入っちゃって
水かかったんだよね』


『多分私の服から垂れた水で滑っちゃったん
だと思う、ちゃんと絞ってから出てくるべき
だったよね…』


…としか言わなかった。

有り得ないだろ。あれだけ色々されてるのに
なんでイジメられてるって気付かねぇんだ…



…強すぎだろコイツ。

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