ヤンデレ回避【江戸川乱歩】

１５話 ページ16

男は私の耳元で行った




乱歩
「君に惚れたからだよ」




その言葉を理解する前に体が宙に浮いた




乱歩
「暴れないでよ〜」




『……はぁ！？なんで抱っこなんですか…！
まずこれから何処に行くんですか…！』




男は私を抱かえたまま通りに出た




意味が分からない




頭が混乱する




惚れた？私に？何歳差だよ




何故抱っこ？私はもう１１だぞ




巫山戯やがって青二才が…←




だがここで暴れたら目立ってしまう…




くそ、これも計算のうちか…？




『……』




乱歩
「おりこーさんだね」




『……それで、これから何処に行くんですか』




乱歩
「僕の仕事場だよ」




『私に惚れたって…どういう事ですか』




乱歩
「そのまんまの意味、一目惚れってやつかな」




『おいくつですか…？』




乱歩
「２０」




『私と９も離れてますけど…』




乱歩
「歳なんて関係ないよ、別に君が
大人になるまで待つし」




『……私が貴方の事を好きになるとは
限りませんが…』




乱歩
「いや、Aも僕の事好きになるよ…
言ったでしょ？世界一の名探偵だって」




凄い自信だな…




乱歩
「今日は君に僕を知ってもらう為に
財布盗ったんだ〜！ちなみに今日は
僕が君に惚れてから丁度一年だよ」




『はぁ…？１年間ストーカーしてたって
ことですか…？』




乱歩
「ストーカーとは酷いな〜、純愛だよ」




『違う作品の名言引っ張って来ないで下さい…』




乱歩
「あの日の事覚えてない？」




『……はい？』




乱歩
「僕が財布落としてそれを拾ってくれたじゃん」




『覚えてませんよ…』




乱歩
「ホントは拉致っても良かったけど
どうせなら似たようなことしたかったからね」




『拾うのと盗むのは全然違いますよ…』




拉致って怖いな…




乱歩
「確かに〜」




脳天気な人だな…




乱歩
「あ、ここだよ」




男が止まった所はビルだった




乱歩
「武装探偵社って言うんだ〜」




『武装探偵社…？』




乱歩
「行くよ〜」




『その前に下ろしてください…』




乱歩
「えー」




『お願いですから…』




もしこれから会う人と関わって行くことに
なったとすればこんな醜態を晒す訳にはいかない




乱歩
「しょーがないなぁ〜」




何とか下ろして貰えた




探偵社って事は世界一の名探偵ってのは
本当なのかな…？




乱歩
「行くよ〜、あ…逃げるなんて考えないでね！」




『分かってますよ…』

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