ヤンデレ回避【江戸川乱歩】

１２話 ページ13

『疲れた…』




まさかこんな時間まで長引くとは…




もう夜の２時か




早く帰ろ




？？
「A〜！！」




……なんか聞こえたぞ




乱歩さん…？




いやそんな訳ないよな、夜中だし




疲労のせいかな、それとも老化…？




？？
「A〜！！」




なんか上から聞こえる…




パッと上を見ると────




乱歩
「受け止めてぇ〜！！」




────乱歩さんが降って来ていた




『……はぁ！？』




いや知らん知らんどう受け止めれば良いんだよ




お姫様抱っこ？いや私が地面にめり込む




もういっその事避けちゃう？いや駄目に決まってる




乱歩さんには申し訳ないけど…




私は地面に到着寸前の乱歩さんの体を
思いっきり押した




その先には草むらがある




これなら打撲程度で済むはず




乱歩
「いったぁ…！もう、受け止めてよ！！」




『私を殺したいんですか……
てかこんな時間に何やってるんですか？』




乱歩
「ん？秘密〜、さっきは足を滑らしちゃっただけ」




足を滑らした？




まぁ乱歩さんが落ちる前に居たであろう
廃墟は砂が凄いからな…




しかも壁無いし




でもなんで廃墟なんかに…




まぁ色々あるんだろ




それより早く帰ろ、眠いし




乱歩さんを立ち上がらせ帰ろうと足を
進めるとうめき声が聞こえた




『今の声…』




乱歩
「気の所為じゃない？早く行こうよ」




何かおかしい




早くここから離れたいような言い方




乱歩
「そう言えば今日見張りの仕事だったらしいね」




『はい…』




乱歩
「依頼人は男だったらしいけど？
次からはちゃんと言ってね、こんな夜中とか
聞いてないし！」




今日はなんか優しいな…




怒るかと思ったのに




乱歩
「その依頼人の男もすみに興味あった
みたいだよ？」




『……興味？』




乱歩
「例えば体とか」




『……体？』




乱歩
「とにかくイヤらしい目で見てたってこと！」




『なんでその場にいない貴方がそんなこと
言えるんですか…』




乱歩
「名探偵に不可能は無ーい！！」




『あー、はいはい、そうでしたね』




この時の私は眠気や疲れで何も分かってなかった


───────────────


依頼人
「も、もう許してくださｯ…！」




乱歩
「静かにしてよ……
Aに聞かれちゃうでしょ？」




こんな変な虫まで付けてくるなんて
ホント、Aには僕が居なきゃダメだな〜




……名探偵に不可能は無いんだよ

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