ヤンデレ回避【江戸川乱歩】

１１話 ページ12

今私たちは電車に乗っている




今まで何をしていたかと言うと
この夕方までずっと乱歩さんの不機嫌な
理由を考えながら街を歩き回っただけだ




目の前には肘を付いて外を見ている乱歩さん




『……あの…なんで仕事だなんて嘘を…？』




乱歩
「……言わなきゃ分かんない？」




酷くご立腹だな…




こうなったら…




『乱歩さん…私、貴方の本当の気持ちが
知りたいんです……すみません、私莫迦なので
好きな人(人として)の気持ちを理解する
のが苦手なんです、教えてくれませんか…？』




これでどうよ




この前街の家電機屋さんのテレビで
やってたドラマのセリフを参考にしたんだ




少しは効くはず…




乱歩
「……」




え、なんか帽子のツバを下げたんだが




まさかこの渾身の一撃が効いてないのか…？
(なんかもうキャラ変わってる)




『……乱歩さん…？』




乱歩
「んふふっ……しょ、しょうがないなぁ〜…
莫迦で可愛い君にこの僕が教えてあげよう…！」




うわー、分かりやすいほど喜んでる




好きって普通に人としてって意味なんだけどな




その後乱歩さんは熱を追い出すかのように
帽子で顔を仰いで咳払いをした




乱歩
「……君が…今日僕たちが戻ってるのを見て
嬉しそうにしてたから…なんか……嫌で…」




乱歩さん顔真っ赤だぞ




『はぁ……そんな事ですか』




乱歩
「そ、そんな事ってなにさ…！
僕は本当に不安で……」




だから朝不機嫌だったのか




『戻れて嬉しいのは事実ですが
それは乱歩さんが嫌だからじゃありません、
仕事などがしやすくなるからなんです』




乱歩
「あ、そうなんだ…」




口がニヤけそうになって必死に我慢
してるの面白いな




てかこういう時こそ世界一の名探偵の
頭脳で考えてみろ←




乱歩
「……あのさ」




『はい？』




乱歩
「僕、ほんとにAが好きだから…」




そう言って夕日に照らされながら
帽子で口元を隠しウットリした目で
見つめてくる乱歩さんは控えめに言って
破壊力エグかった←




『……それは嬉しいですけどちょっと
俗に言うヤンデレになるのは嫌ですね』




乱歩
「え、僕そんな所あるの？」




いや自覚無しかい




今日は平和に終わって良かった




乱歩さん可愛かったな




本人に言ったらカッコイイって言われたい！
とか五月蝿いから言わないけど

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