思春期男子と超能力者２【梶蓮】 (ページ17)

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６３話ページ17

壱馬
「──────…んで、
そのあと姉さんは急にぶっ倒れて
生死をさまよった…って感じだ、
今思えばアレもビルを浮かせた
力の反動だったんだな…」

…なんで誰も反応しねぇんだよ

壱馬
「…おい、俺がせっかく話してやったのに
反応無しとはどういうことだ…ょ…」

…なんだコイツら

楡井
「ぅ”っ…う”ぅ…」

弱虫野郎はクソほど泣いてて…

半々野郎は無言で固まってるし…

眼帯野郎に限っては感情が読み取れねぇ…

…厄介者(梶)はなんかムカつく

楡井
「すみ…ませんっ、そんなに重い話だとは…
思わなくて…涙の準備して、無かったですっ…」

壱馬
「ぉ、重い話とか…そういうつもりで
言ったんじゃねぇよ…！」

梶
「…悪かった」

壱馬
「…！な、なんだよいきなり…！」

コイツ俺に謝りやがった…

何が狙いだ…？

梶
「お前らのことよく知らねぇのに…
過保護とか言っちまった、理由があったんだな」

壱馬
「…別に気にしてねぇよ、謝られると逆に腹立つ」

…コイツら、俺が思ってるほど
悪い奴らじゃねぇのかもな

…なんか、拍子抜けた気分だ

壱馬
「…”梶”だったか？」

梶
「…？」

壱馬
「お前のことは嫌いだ、姉さんを誑かした
クソ野郎って認識は変わらねぇ」

梶
「(酷い言い草だな…)」

壱馬
「…それに、あの人の隣は俺だ、
これは誰にも譲れない」

梶
「…」

壱馬
「…でも、姉さんの隣の…”反対側”くらいは
空けといてやる、いつ…俺らみてぇに大切な人間が
死ぬか分からねぇんだ、行動するなら今だぞ」

梶
「…言われなくても分かってる」

楡井
「…もうこれ、ほぼAさんのこと
好きって…認めてるのと同じなんじゃ…？」ﾎﾞｿｯ

蘇枋
「…多分無自覚なんだよ」ﾎﾞｿｯ

桜
「ぁ、アイツ…Aのこと好きなのか…？」ﾎﾞｿｯ

…ボソボソうるせぇな

壱馬
「…つーか、なんでお前が顔赤くしてんだよ」

桜
「は、はぁ…！？別に赤くねぇよ…！！」

楡井
「久々の恋愛センサー発動ですね…」

桜
「違ぇ…！！」

壱馬
「…はぁ、ここにいると色々疲れるわ、俺帰る」

楡井
「ぁ、はい…！門まで行きましょうか…？」

壱馬
「子供扱いすんじゃねぇよ…」

…姉さんも、いい居場所見付けたな

壱馬
「…また来てやるよ、姉さんに会いにな」