思春期男子と超能力者２【梶蓮】 (ページ15)

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６１話ページ15

母親
「だ、大丈夫…？
血が出てるようだけど…」

『…大丈夫です、少し瓦礫が鼻に当たって…』

父親
「ギリギリだったな…もう少し遅ければ
津波に飲み込まれていたぞ…」

母親
「２人はもう休みなさい…
私たちは向こうで話してくるわね…」

そう言って２人は大人達のところへ行った

壱馬
「…ぁ、あの…Aちゃ─────…」

『私さ、物心付いた時から…
変なところがあるんだよね』

姉さんは俺の言葉を遮って話し始めた

壱馬
「…変な…ところ？」

『例えば…部屋でイライラしてた時とか、
急に本が吹き飛んだりするの』

その時の俺は姉さんが何を言いたいのか
サッパリ分からなかった

てっきり責められると思ってたから

『…その謎が今解けた』

壱馬
「な、なんなの…謎って…」

俺が問いかけると、姉さんは少しだけ笑った

『…お願い聞いてくれたら、教えてあげる』

その時の笑顔は今まで見たこと無かったから、
少しだけ…怖い気がした

壱馬
「お願いって…？」

『…今から言うこと、絶対守ってね』

壱馬
「ぜ、絶対守るよ…！約束する…！」

『…”一生のお願い”だよ』

壱馬
「分かったってば…！」

この時の俺はこのお願いが
どれだけの事か分かっていなかった

ほら、子供がよく使うやつあるだろ？

なんだっけな…

あっ…思い出した

”一生に一度のお願い”…ってやつ

アレだと思ったんだよ

でもさ、この時…姉さんは
”一生のお願い”って言ったんだ

まだ俺らだって小さい子供だったし、
言葉の間違いはよくある

でも…今思えば、姉さんの
この言葉は何も間違ってなかった

”一生”

意味は”生まれてから死ぬまでの間”

言葉通り、”一生のお願い”なんだ

『…壱馬、私の”弟”になってよ』