思春期男子と超能力者２【梶蓮】 (ページ11)

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５７話ページ11

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──────…海外に住んでたんだ

生まれも海外

家が隣だったから良く一緒に遊んでたんだ

その頃、俺はまだ姉さんのことを
”Aちゃん”って呼んでた

いつも通りの１日が過ぎてって、
夕方になった時…

”地震”が起きたんだ

クソデカイ、大規模のやつ

その時近くに親はいなかったし、
俺はテンパって泣くことしか出来なかった

でも姉さんが…

『避難場所まで案内して…！
私方向音痴だから絶対迷子になる…！！』

…って、俺の事平手打ちして言ってきたんだよ

痛かったけどおかげで目が覚めた

壱馬
「ご、ごめん…Aちゃん…
た、多分こっち…！」

俺は”２人”を連れて大通りに出た

大人が沢山いる

その中には瓦礫に挟まれている人もいれば、
血を流して動かない人もいた

壱馬
「…助けた方が…いいのかな」

『…無理だよ』

壱馬
「な、なんで…？力合わせれば
大人１人くらい…」

『…他人に構う余裕が私たちにある？
子供の足で高台の避難所まで行けるか
どうかも怪しいのに…』

壱馬
「…じゃあ、見捨てろって言うの…？」

『…まぁ、悪い言い方をすれば…そうなる』

俺は優しかった姉さんに裏切られた
ような感じがして…失望した

壱馬
「そんなの酷いじゃんか…！見捨てるなんて…
そんなの人を殺してるのと変わらないよ…！！」

『状況考えてよ…！私だって出来ることなら
ここに残って助けたいけど…子供の私たちに
何が出来るのさ…！』

今思えば…これが俺たちにとって
初めての大喧嘩だった

壱馬
「もういい…！知らない…！！
僕はここに残る…！！」

俺はそう言って、姉さんから離れた

後ろから声が聞こえてきたけど、
ムカついてた俺には何も聞こえてなかった

…でも、あの子の声で気付いたんだ

？？
「姉さん…！置いてかないで…！！」

この言葉で姉さんが俺を追いかけて
きていることに気が付いた

その時、急に恐怖心が湧き上がってきたんだ

”やっぱり、俺も逃げたい”…って

壱馬
「(Aちゃんに…
さっきのこと謝らないと…)」

俺はその場で立ち止まって後ろを向いた

”ごめん”…って謝ろうと思ったんだけど、
何か様子がおかしかった

『壱馬…！！』

姉さんが焦った表情でこっちに手を伸ばしている

そして次の瞬間─────…

─────…目の前が真っ暗になった