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海人side
平野先生のお母さんはとっても優しい人だった。
シングルマザーになって誰の助けも借りずに平野先生を育て上げた
その事を話す平野先生はとっても優しい顔で、
それは母親がどれだけ大切な存在だったかを明確に表していた。
「またな」と言ったっきり帰ってこない父と弟はどこかと何度も母に聞き込んだそうだ
何も分かっていなかったんだと平野先生はその頃の自分を思い返していた
平野先生の母親はよくその海の写真を見つめていたらしい
何かを思い出すように、じっと。
ある日学校で父親が居なくなったことをからかわれた平野先生は母親にその事を伝えると
『…ごめんね、お父さんに会いたい？』
と尋ねた
紫「会いたいよ、すっごく」
すると母親は
『お母さんも会いたい』
そう言ったんだって。
そんなこともあって家族を探すことを決めた平野先生
まだ今のところ手がかりはあんまりなくて進展はないみたい。
俺のお父さんは真剣にその話を聞いていた
俺も物心ついた頃になぜ母親がいないのかと1度だけ父を問いたことがあった
ごめんなと一言だけ謝って仕事に戻ってしまったのを覚えている
父「そんなことが…見つかるといいですね」
そう声をかけた父の目には少し涙が溜まっているように思えた。
帰り道、父と2人歩く道
いつも俺が一方的に話しかけるのに先に口を開いたお父さん
父「…これ見ろ」
父の胸ポケットから出てきた何かの写真
それは平野先生が持っていた海の写真と一緒だった
「平野先生のパチッたの！？だめじゃん！」
父「これは俺のだ」
「え…なんで一緒の持ってるの」
父「なんでだろうな。不思議なもんだ」
言葉を濁すお父さん
俺は思った、さっきの話の探してる家族って俺らのことなんじゃないかって
「さっきの話ってもしかしてさ」
父「…海人、」
俺の名前呼んで立ち止まったお父さんは
父「気にすんな、きっと偶然だよ」
少し汗ばんだ頬を拭きながらそう言ったんだ。
それからはお兄ちゃんがいたのかとかお母さんはどんな人だったとか
考えてぼーっとしてることが増えた
こんな俺のせいで不安げなみつはを何度見ただろうか。
いつもの俺の笑顔を見るとパーっと明るくなるその顔に考え込んでちゃダメだと気を入れ直す
夏休みが明けたら平野先生にもう一度詳しく聞こうとしていた。
でも夏休みを明けると平野先生の姿はなかったんだ。
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ゆな(プロフ) - 話が深くて面白いですね。更新頑張ってください！！！ (2019年4月5日 20時) (
レス) id: c6227ef130 (このIDを非表示/違反報告)
0519nami(プロフ) - 更新お疲れ様です。凄く面白いです！学校で大変と思いますが続きのお話しを楽しみに待ってるので無理せず更新頑張って下さい！ (2019年1月30日 19時) (レス) id: 50354e6784 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんたこ | 作成日時：2019年1月30日 10時
