二話『ポピー』 ページ3
❁⃘*.ﾟAside❁⃘*.ﾟ
A『赤色のポピーだ……。』
私は家から飛び出て綺麗な川が見える
河川敷に来ていた。
何時までも家に篭っていたら流石に
息苦しいもの。
そんな思考を頭の中で巡らせていると、
ポピーの花弁に水滴が落ちた。
A『……雨？』
ポツリ…ポツリ…と降っていた雨は次第に
激しい雨に変わった。
最悪な事に雨を防ぐ雨具を持って来ていない。
私は急いで家へと向かう。
…しかしながら私の体力は底を尽き
意識が段々と朦朧になる。
私はその場で倒れ込む。
こんな時、私は自分の身体が弱い事を憎む。
そして私は雨に打たれながら深い眠りにつく。
凍えた身体が微かに暖かくなった
気がした。
次に私が意識を取り戻したのは、
…時間帯的に夜中だろうか。
見慣れていない光景が広がっており、
私は戸惑う。
ゆっくりと身体を起こすと隣の部屋からは
明かりが漏れていた。
私は恐る恐る隣の部屋へと向かう。
隙間から顔を覗かせ周囲を見渡す。
机の側では七人の男性が話し合っていた。
A『…あ、あの……。』
私は小さく声を漏らすと私の近くにいた
帽子を被った男性が私を見た。
「…！身体の調子はもう大丈夫ですか？」
私は小さく頷く。
どうやら悪い人達ではなさそうだ。
「隣においで。」
男性は笑顔で私に話し掛ける。
私はまた小さく頷き、男性の隣に座る。
他の男性達も私の存在に気付いた様で、
一斉に視線が浴びせられる。
私は帽子を被った男性の背に小さく縮こまり
身を隠す。
「…大丈夫だよ。」
背中越しに聞こえる声を受け取り、
私は顔を覗かせる。
A『あ、あのっ…。』
私は男性達に聞こえる声量を出す。
再び視線が集まりその先の言葉が
言えなくなる。
「ゆっくりで良いよ。」
背中を摩ってくれたことにより緊張感が
解れる。
A『…助けて頂きありがとう
ございました。』
私が一言言い終えると彼等は微笑む。
その微笑みは優しいものだった。
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ポピーの花言葉は、
「感謝」「喜び」「思いやり」「労り」
「恋の予感」
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作者名：叶夢~toa~ | 作成日時：2019年8月6日 22時
