ノアの花嫁２ (ページ36)

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食事も終わり次はティキがよくいく雑貨店に向かうところ

私がティキのしている腕時計がおしゃれだと言ったら見に行こうと言ってくれて、いいのがあったら買うつもり

「しかし人間が多いな」

『大通りだしお店が多いから仕方ないね』

「はぐれんなよ」

グッと肩を掴まれる

『うん、ありがとう』

ちょっと強引に引かドキッとした

最近

エクソシストの意思が薄れてきているのか

ノアにいると心地よくてみんなが大好きで、ティキといるとドキドキするけど落ち着く

神田くんに好きって言われてもティキが心にいた、なんて言ったのに

それが私の本心なのかノアメモリーのせいなのかわからないんだ

私の意思でここにいると言い切れない

エクソシストとしてみんなと教団で生活していた記憶が薄れて行ってしまうことが、

どうしようもなく悲しい

記憶が薄くなっていくことにすら気づけないことが

悔しい

『、、、』

「どうした」

『なんでもないよ』

私を好きでいてくれているティキには言えない

…ティキも私が好きなのか花嫁が好きなのか、わからないけど

『楽しみ、腕時計いいのあるといいな』

「おう、なんでも買ってやるからな」

疑心暗鬼はダメだ

もう決めたことなんだから

運命には逆らえない

・

・

・

少し歩いたところにその雑貨屋さんはあった

シンプルで、だけどおしゃれなお店

ドアを開けようとするが、しかし

そのティキの手に誰かの手が重なった

その手は全く見たことがない女性

よくある偶然手が触れてそこから恋が始まるーーー的なやつみたい

残念だけどティキには私がいるけど

なんて考えているとそこでふと気づく

普通は手が触れたらすぐに離れるものだろう

しかしどうだ

2人の手は重なったまま

え？

ティキを見ると眉を寄せて不機嫌そうに

女性はにっこり笑って嬉しそうにしていた

「ティキさん、お久しぶりです」

知人だったのか

だとしたらティキはなんで不機嫌そうなんだ

「偶然そこで見かけて追いかけてきてしまったわ」

「あ、そうですか」

「つれない人だわ、相変わらず」

え、

「あなたから声をかけてきたくせに連絡しても反応ないし、」

え、え、

「私の心を奪っておいて、逃さないわよ」

え、え、え？

「あー…Aごめん」

『何に対して』

「先帰っててくれ
　デートの続きはまた今度、な」

『は？』

いみがわからない