人気者不人気先輩と地味系美女後輩

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シャオさんはしっかりとアパートの私の部屋の前まで送ってくれて

手を出すなんてことはしないで爽やかに「じゃあな！」と言って帰って行った


やっぱり素敵な人だ


その日からもっと可愛くなるために自分を磨き始めた



自分に合う服を研究して、綺麗に切ってもらった髪も毎日ケアして


肌の保湿もより一層力をいれた


会社では杉谷が話しかけてこなくなった代わりに同年代の女性社員たちからたくさん話しかけられるようになり



前から話しかけたかったけど話しかけると杉谷から狙われると恐れ話しかけられなかったらしい(実際に私に話しかけて杉谷からあからさまに避けられるようになった子がいたらしい)


「本当に綺麗」

「最近透明感アップしたけど何してるの？」

「最近出たコスメ、浦田さんに色が合いそう」


など久しくする女子らしい話に笑顔が増えて


表情も前よりも明るくなった気がする


シャオさんからは毎日のようにlineがきて


【今日なんの話してたん？楽しそうやったな】

【変な男に付き纏われてないか？】

【今度飯行こう】


などなど


会話は途切れることなく続いている


我ながら充実した毎日


人から何かを言われることを恐れて自分を隠す毎日より


自分らしくいれる今が楽しくてしょうがない



休日には引きこもっていた私も、今では服やアクセサリーを見に行ったりして


人気のカフェに行ったりして



以前と比べ物にならないほどの活力に自分自身驚いている









週末の今日


職場で使っているペンが壊れてしまって新しいものを買うついでに少し買い物をして


たまにはいいかと、歩いていつもは通らない道をぶらぶらしていた



隠れ家的なカフェは可愛らしい雑貨屋などがあって意外とぶらり散歩も正解だったかも、なんて少し気分が良くなっていた


『(さっきの雑貨屋さん可愛いの多かったなぁ…

　今日はもう色々買っちゃったから次来た時に何か買おう)』


と呑気に考えていた



人気のカフェやアパレルショップのある大きめの通りに出てきた時、事件は起こった(事件ってちょっと大袈裟だったかも)



「、、、Aやん…」


大きめの通りでもボソッと聞こえたのはきっと人が思っていたよりも少なかったから



私に向けられた声


思わず振り返った



『、、、桃、なの？』


それは大学生の時にボロクソに言われてそれ以来会っていなかった


私を最悪の方向に変えたあの子だった

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