勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ42)

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父「ありがとう、太一くんのおかげだ」

ﾀｲﾁ「いや、俺は全然」

父「太一くんがいなかったら僕はAちゃんとこんなふうにできなかった

　君がAちゃんと出会ってくれてよかった」

『ありがとう太一くん』

ﾀｲﾁ「あぁ、いいよ

　俺はお父さんに頼み事あって来ただけだし」

父「頼み事？なんでもいいよ」

Aにおいでと言って手招きをすると

お義父さんの腕から俺の方に嬉しそうにやってきて両手で俺の手を握った

『太一くん」

「うん

　お義父さん、俺高校卒業したら大学に行きます。きっとその時に家を出て一人暮らしになるんですけど

　そしたらAと一緒に暮らしたいって思ってます
　どうか認めてください」

『私も、日本の大学に進学するつもり

　太一くんと一緒に暮らしたい』

「Aちゃん、太一くん…」

お父さんが真面目な顔つきになった

以前のように威厳のある顔

俺とAは身構える

「父としたら、
　まだ1人で生活もしたことない男の子に娘を渡すなんて考えられない、

　そう言いたい

　だけど
　君たちは小さい時から子供だけで知らない世界を旅したり、大人もできないような偉大なことを何度もやってきた子達だ

　ただの男の子だったら反対していたが、太一くんなら、

　いいだろう
　Aちゃんを任せられる」

「つまり…」

「同棲を認めるよ

　もちろん定期的に僕のところにもきて欲しいけど

　あ、僕もしばらく日本で生活することになったからよろしく」

意外にもあっさりと俺たちの同棲を認めてくれた

俺とAは拍子抜けな顔をしていたが

2人で向かい合って思いっきり笑った

Aは一度俺のお母さんたちに報告とお礼をするために俺の家にかえることにした

帰り際

お義父さんに「避妊だけはしっかりしなさい」と言われ

付き合った方にはそういうこともできるんだと顔を赤くし、

Aで変な妄想をするなと怒られた