勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ41)

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ﾀｲﾁ「何も言わずに海外に連れて行ったり、勝手に日本に連れていくことを許可出したり…」

父「だって、、

　仕事で年単位で帰れなくなるってなったら可愛い娘をこっちに連れてきたいと思うだろう！

　本当は離れたくなかったけどあの子の力が必要だと言われたら父として送るしかないだろう！」

ﾀｲﾁ「それ全部、Aに直接言ったことあります？」

父「あるわけないだろう

　あの子にかっこよく思われたくて威厳があるお父さんをしてきたんだ」

ﾀｲﾁ「A、自分のことは邪魔なんだって言ってましたけど…」

父「な、なぜだ」

ﾀｲﾁ「あなたの言動全部まともに受け入れたらそうなるだろ…」

これは直接本人同士で話した方がいいと、俺はAに連絡をして家の中に入ってきてもらった

『、、、太一くん』

俺たちを見つけるなり俺の方に駆け寄って横に並んだ

その光景を見てさらにショックを受けるお父さん

ﾀｲﾁ「ほらお父さん、正直に話してください」

父「、、、しかし、今更…」

ﾀｲﾁ「Aに嫌われたままですよ」

父「うっ、、

　A、いや…Aちゃん」

『Aちゃん！？』

父「いままで、全部ごめんね！」

『お父さん！？』

Aが状況を整理できないままお父さんはどんどん話始めた

父「全部僕がやってたこと悪いように捉えて、、いや僕の言い方全部が悪かったんだ…

　かわいい子が将来大変な思いしないために厳しく育てたが、厳しくし過ぎたね
　しかも家に置いてけぼりで、仕事ばっかして

　妻がなくなって家を、家族を守るのは自分だけだと考えたら仕事優先になってしまって、

　寂しい思いさせて、我慢ばっかさせて、甘えさせてあげれなくて、ごめん」

俺はさっきお父さんと話していた内容をすべてAに話した

Aは信じられないという表情をしていたが涙を流して謝るお父さんの姿を見て本当だと信じたようだ

『私のこと、好きですか？』

父「好きじゃない瞬間なんてなかったよ」

『、、、、私、この家に帰ってきてもいい？』

父「帰ってきてくれるのか！」

お父さんは感極まってAを抱きしめた

『お父さんに抱きしめられるの、いつぶりだろう』

父「幼稚園の年中さんの時、かけっこで1位をとったときにメダルを持って帰ってきたAを抱きしめて以来だ」

幸せそうな光景を見ているとお父さんとふと目が合った