勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ37)

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アーマゲモンに勝利した喜びを噛み締める間もなく俺は走り出した

まだ間に合う

Aはまだいるはず

ラヴォガリータモンが飛んでいった方向を人並みをかきわけながら必死で走った

会いたい会いたい会いたい

あんな別れ方したことを謝りたい

まだ俺を好きでいてくれているのかわからないけど

俺だって好きだと伝えたい

離れたくない離したくない

「待って…A…！」

人が少なくなってきて、たどり着いたのは小学校

まだうっすらと暗い中パソコン室の明かりがついていた

きっとそこからAはデジタルワールドを経由してやってきたんだろう

そして階段の踊り場にある窓からそこを歩く人影が見えた

足元には子供サイズの影も

あれはAとヴォーボモンだ

まだ走れば追いつける

俺は何も考えずただ走った

靴も脱がずに校舎に入って、階段で躓きそうになりながら3階のパソコン室まで

「、、はぁっ、A！」

俺が名前を呼びながらパソコン室に入った時には

Aはパソコンにデジヴァイスをかざし光に吸い込まれる瞬間で

俺は手を伸ばして走ってAを引き止めようとしたのに

間に合わなくて

「行くな！A！！」

『太一、くん…？』

こっちを見て切なそうな顔をするAにとうとう届くことはなかった

今すぐ追いかけようとデジヴァイスを出したが

アグモンもいない中デジタルワールドに行った俺は何ができるのか

Aも、何も言わずに帰るってことは俺らに会いたくないのではないか

デジタルワールドでそこがイタリアに続くゲートなのかもわからない

そう思えば諦めるしかなかった

「、、、くそ…」

悔しくて

だけど一瞬見えたAの姿を思い出して

「くっっっそかわいかった…絶対モテるじゃねえか、

　向こうで彼氏とかつくんなよ…」

想像以上に可愛かったAに悶えたりしてた