勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ4)

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ヤマトくんも窓の近くに来て私と同じように外を見た

「太一と望月…

　お前、やっぱまだ太一が好きなんだな」

『、、、うん、また私の片思い』

「、、、、」

ヤマトくんは複雑そうな顔をして一度うつむき、そして私の方を見た

「太一に、言ったらいいじゃねえか」

『太一くんが好きなのがメイコちゃんだよ』

「は？」

『この前言ってた好きな子、メイコちゃんのことだと思うの

　それにメイコちゃんも…」

メイコちゃんもきっと太一くんが好き

太一くんのことよく見ていて、太一くんの言動一つ一つを気にしてしまう

「そんな風には見えねえけどな」

『分かるの』

わたしと一緒だから

「自分のことは押し込んで我慢して、遠慮して…変わらねえな」

『ふふ、かもね』

「たまには自分のこと、考えろよ

　太一のことだけじゃねえけどさ」

『じゃあ、教室までおんぶして』

「ははっ、わがままな妹だな」

ほら、そう言って軽々私をおんぶした

『昔から頼りになるお兄ちゃん』

「弱ってるときだけな

　お前は、人に頼るの苦手だから」

『、、、いつか直すよ』

「こっちから頼るように誘導しねえといけねえし、」

『ごめんね、』

「弱ってるときだけは甘やかしてやる」

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太一side

望月と話をしてふと視線を感じ上を見上げる

学校の２階の窓、そこに人影が２つ見えた

暗かったが少し目を凝らせばそれが誰なのか分かって、

「ヤマト、、A、、、」

またあの２人が一緒にいるところが見えた

少し話して、２人で笑って

それで

ヤマトがAをおんぶして歩いて行った

「、、、やっぱり、ヤマトが好きなのか…」

Aは誰にでも優しくて、気を配れて、、心配してくれて

それが俺には特別優しいんじゃないかってたまに思える時があって、

でもそれは勘違いしてはいけない

Aのなかで特別はヤマトで、それは今もずっとそうで

俺なんかが、入れる隙なんて全く無かった

「、、、A、好きだ…」