勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ28)

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私も太一くんもびっくりして

一斉に声のした方を見た

間違いなくお父さん

『なんで、いるの』

「ニュースを見た
　飛行機がやっと取れたから帰ってきたら、何をしているんだ」

『、、、みんなでメイコちゃんのお別れ会してたんです

　太一くんは片づけを手伝ってくれていただけで』

「そんなにくっつく必要があるのか」

今までで一番怒っているように見えるお父さん

ﾀｲﾁ「あの、すいません

　Aさんと、最近付き合い始めました。八神太一っていい…」

「君は知っている
　小学生の時Aを家まで送ってきた子だろう

　ずいぶんと、礼儀ってものを覚えたようだね

　Aから離れなさい」

太一くんは離れようとする様子もなく

私の肩を抱いてお父さんを見た

「なにをしてる」

ﾀｲﾁ「変わらないですね

　相変わらずAを監視ですか？」

「監視？」

ﾀｲﾁ「勉強しろ、友達と遊ぶな、家にいなさい

　まだAの自由を奪うつもりですか？

　今回も、Aの許可なしに日本に帰ってこさせたらしいですね
　そのおかげで俺はAに会えたからいいけど」

「デジモンが必要だと言われたから、勝手に連れて行けと言っただけだ」

『、、、お父さんって、いつも勝手』

「なに？」

『わたしだってもう高校生だよ

　勝手に日本に送って１人で生活させて、少し好きにしただけでまた怒るの？』

「、、、私はお前のために言っているだけだ

　お前はもっといい人間と関わるべきだと昔も言っただろう
　そんな思い付きで行動するような男の子と交際なんて認めないよ」

『は？』

「大人への態度も分からないような子はダメだと言っているんだ」

『、、、絶対いや』

ﾀｲﾁ「おれも、嫌です
　絶対に別れませんよ」

『お父さんの命令にもう従わない！
　お父さんが帰ってくるなら私この家から出てく！』

太一くんの手を引いて

寝ていたヴォーボモンを抱き上げて玄関に向かった

「どこへ行く気だ！」

『お父さんのいないところ！』

「待つんだ！」

お父さんが私の腕を強くつかんだ

少し痛がるとすぐに太一くんがお父さんの腕をつかんで引き離した

ﾀｲﾁ「Aになにすんだ」

「私の娘だ」

ﾀｲﾁ「俺の彼女だよ」

太一くんの押されて家の外に出た

太一くんも一緒に

ﾀｲﾁ「俺の家行こうか、母さん喜ぶよ」