勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ17)

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⑧ ページ17

黙っていた光士郎がそう言った

「どういうことだ…」

「Aさんが生きている可能性があります。

　これは憶測ですが、、、

　今ここにヴォーボモンがいませんよね？」

「あ、そうだ」

「いつの間にか…」

「さっき、一瞬だけ聞こえたんです

　ヴォーボモンが、Aを助けなきゃって言ってるのを

　それで振り返ったらヴォーボモンがいなくなっていました

　見間違いかとも思っていたんですが、その時歪みが消えるところを一瞬だけ見まして、もしかしたら…」

ヴォーボモンがAを助けに行ったかもしれないってことか？

Aが…

生きてる？

「本当か？」

「可能性の話です

　…ですが、そう考えたらヴォーボモンがいない理由も説明がつきます」
『さすが光士郎君、その通りだったよ』

Aの声がした

はっきりと

全員の耳に届いた

声のした方、、空を見上げると俺たちの頭上に歪みが現れ、その中から何かが出てくる

『みんな！ただいま！！』

ラヴォガリータモンが大きな羽を広げて飛び出て、

その背中にはAが乗っていた

「A、生きてたぁ…」

「お前、心配ばっかかけさせやがって！今回だけは許さねぇ！！」

「Aさぁん！ミミ超泣いたんだけど！！」

「Aくんは何でそんなに犠牲になりたがるんだ！」

「Aさん、兄貴にしっかり怒られてくださいね！」

「可能性の話でしたがほんとだったとは、おかえりなさいAさん」

「Aさん、良かった…」

戻ってきたAを皆怒っているようだが笑顔で迎えた

「全員そろったな」

「あぁ、いくぞ」

『ラヴォガリータモン、助けに来てくれてありがと

　まだいける？』

「もちろんだ

　優しいAを守る、それが僕の使命だよ。
　君が望むなら、僕はどこまでも強くなれる…！」

ラヴォガリータモンがまぶしい光に包まれた

これは、進化の光

「ラヴォガリータモン究極進化ーーーーヴォルニッケドラモン！！」

全身マグマに包まれた大きなドラゴン

光士郎がパソコンでヴォルニッケドラモンを調べる

「ヴォルニッケドラモン、究極体
　マグマの中を泳ぐ竜といわれるデジモン、デジタルワールドが誕生したときから地下深くより世界を支えてきたともいわれている。
　ヴォルケニックドラモンに焼かれた土地は決してよみがえらないと言われるほど強力なパワーを持つデジモンです」