勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ14)

今日:5 hit、昨日:33 hit、合計:7,570 hit

⑤ ページ14

「！！

　A！何してんだ！！開けろ！！」

内側からドアを開いてもドアはびくともしなかった

カプセルの中にあるタイマーがカウントダウンを始めた

これはきっと俺たちが現実世界に転送されるまでの時間、

そして、この施設が爆発するまでの時間…

『聞いて、、、』

「開けろよ！、ふざけんな！！一緒に戻るんだろ！！」

『お願い、聞いて！』

「っ！」

ドアをたたく手を止めてAの方を見ると目があい、いつもみたいに困ったように笑った

『こんな方法しか、思いつかなくてごめんね。

　でも、あなたじゃないとだめなの…世界を救うにはあなたが必要なの。

　先生が託してくれた希望、、私も太一くんに託したい』

残り2分…

「A、、、」

『お願い、してもいいかな…？』

１分40秒

「、、、

　分かった、俺がみんなを助ける」

『っ…やっぱり、太一くん、、、、

　好きだなぁ、、！』

泣きそうに笑って、

今まで見たことがないほどきれいな泣き顔でそう言った

「A、今、、、なんて、、、」

残り１分10秒

『えへへ、、こんな時に、ごめんね…

　私、、太一くんのこと、、好きなんだ、、小さいときから、ずっと、、ずーっと、好きなんだぁ…』

「A、、、A、A、！！」

残り30秒

俺だって好きだ

こんな形で聞きたくない、俺だって好きだって言わせてくれよ

悲しそうに泣いてるお前を抱きしめさせてくれよ！

『好きな人いるって聞いたのに、、、あきらめきれなくて、、ずっと好き…

　太一くんの、声も、顔も、強さも、仲間想いなところも、全部全部好き

　あなたに恋をしてよかった…！

　あなたのすべてに、恋をして、、あなたを好きになれて、、本当に幸せだった…！

　ずっと、大好き』

残り0秒

「Aーーーーーーーーーーーーーーーーーー！！！」

最後に見えたのは

爆発し始める施設と

いままに見たことないくらい綺麗なAの笑顔