勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ12)

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③ ページ12

ゲンナイさんの姿をした男が突如現れた

そして指を鳴らしたかと思えば大輔たちのカプセルが動きどこかへ消えてしまった

『彼らをどこに！』

「あの子たちはこの先の部屋にいるよぉ」

ニタニタと笑う男、

こんな奴に構っる暇はない

「行くぞ！」

ほっておいて行こうとするとまた男が指を鳴らした

その合図とともに現れたのは大きな刃物を持った機械のようなデジモン

「そう簡単にいったらつまらないだろ～

　さぁ、あがいてごらんよ」

男はそう言い残して消えた

雄たけびとともに刃物を振り回し俺たちに近づいてくる

先生を支えて大輔たちが消えたほうのドアに向かった

「八神、聞け…」

「いまは無理だよ！」

「いいから…」

ドアを抜けてすぐ、先生が俺から離れるように止まり俺とAは部屋の外に、そして先生はぎりぎりで止まった

『先生、早く！』

後ろにはもうデジモンが近づいていた

「、、、俺はこのまま行っても、足手まといだ…ここに残る」

「は、」『え、』

「な、何言ってんだ…」

「それに、止めないとこのままずっと追ってくるだろ…だから、俺がここで止める」

先生の視線の先にはROCKと書かれたボタンがあった

先生は悲しそうに笑うとそのボタンに手を伸ばした

『待って！！』

ガシャン！

むなしくもドアは閉まり先生の姿が見えなくなる

「先生！！」

『せんせい！開けて！！』

２人でドアをたたくがドアをびくともしない

「行け…行くんだ二人とも…

　俺はあきらめていない、、お前たちが教えてくれたんだ、最期までできることがあるはずだって…

　未来は続く…つながっていく…

　お前らに託すよ、

　大人になってしまった…俺たちの希望…」

『せんせい！！』

「先生！全員助かる方法があるはずだ！」

「いいか、

　どんなにつらい現実が待っていようと、決してあきらめるな

　夢は、、、

　でっかく！！」

『いやっ、、いやっ、、せんせぇ！！』

「せんせい！！」

ドアをたたく音とは別の、

大きく、鈍い音

そして

「うっ…！」と短い声が聞こえた

『う、、うそ…』

Aはその場にへたり込んでしまった

そしてすぐに向こう側からドアをたたく強い音が聞こえてきた

『も、戻ろう太一くん、今ならまだ…！』

「、、、

　行くぞ、先に」

『でも！』

「先生の思い、無駄にはしない。

　俺たちは前に進むしかない」