勇気と慈愛 tri Ⅱ (ページ11)

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② ページ11

「心配性も、優しいのも、、ここまでくるとこっちが心配になる…」

『ふふ、ごめんね…
　けが、してる、、、ここ…』

Aがゆっくりと俺の頬に手を伸ばしてスルリと撫でた

「ったく、自分の心配しろって…」

『ごめんね、、、体が勝手に動いちゃった』

「ほんとに、、

　でも、ありがとう…不謹慎だけど、Aが助けに来てくれて、嬉しかった」

Aの体を支えながら立ち上がらせた

『西島先生は…？』

「いるはずだ、まだ会ってない」

２人で西島先生を探すと、少し進んだ先にその姿を見つけた

「やがみ、、あいおい、、、」

俺たち以上に負傷してしまっている西島先生

お腹から激しく血が出ていて苦しそうにお腹を押さえていた

『先生！！』

Aが駆け寄ってハンカチで傷口を抑えた

「先生！！待ってろ！すぐに帰る方法を探す！！」

「うっ、、

　よかった…お前らは無事で…」

動こうとして苦しそうな声をあげる先生をAが止める

「ここは…？」

「分からない、デジタルワールドのどっかだと思うけど…」

その瞬間電気がついてあたりが鮮明に見える

「っ！！」

カプセルのようなものが見えてその中に人が入っているのが見えた

「大輔！みんな！！」

その中には大輔や、イオリ、ミヤコ、賢たちがいた

先生はゆっくりと立ち上がりパソコンで全員の無事を確認した

「、、実は、お前たちに隠していた重大な秘密がある…

　４人はずっと行方不明だった。

　その事実は隠すように命じられ、徹底的に情報を管理されていた」

『なんでそんなこと…』

「イグドラシルの計画に気づいて、排除されたんだ

　俺に命じたのは姫川管理官、イグドラシルと手を組んでいた…

　過去の戦いで、姫ちゃんのパートナーデジモンが犠牲になってしまった…
　リブートによってパートナーデジモンを復活させること、それが彼女の目的だった…

　彼女は手段を選ばず、リブートにかけて失われた絆を取り戻そうとした…

　パートナーデジモンの存在が人を救うこともあれば、時に人を狂わせることもある、、俺がもっとはやくに姫ちゃんを止めていれば、こんなことには…

　どんなにつらい決断でも、下さねばならないときがある。たとえ…

　相手が仲間でも…」

「怪物と戦うものは自らも怪物にならぬよう気を付けるべきである。
　深淵を覗き込むものはまた、深淵からものぞき起きこまれているのだ」