６人の救世主。 (ページ22)

今日:20 hit、昨日:3 hit、合計:40,444 hit

第 21 話。ページ22

.

母｢そんなのっ…い、一時期の気の迷いでしょ…！｣

そう言いながらまた私の背中を押すお母さん。

｢ち、違う…っ！｣

母｢A？｣

私を睨みつけながら母の手が大きく上へと振りかぶって私の方に向かってくる。

あぁ、また殴られる。

そう思って目を瞑るけど構えていた痛みは一向にやってこなくて、目を開けるとお母さんの腕を必死に止めているとしみつさんがいた。

｢と、としみつさん…っ！｣

早くとしみつさんと虫くんの方へ行きたくてお父さんの手を振りほどこうとするけど体格の差は歴然で

お父さんの力は緩まるどころか強くなる一方だった。

｢いっ、痛いっ…｣

父｢所詮お前は俺達から逃げることなんてできないんだよ！！｣

大声で怒鳴り散らすお父さんが怖くて涙が止まらなくなった。

そんな父の腕をつかみ、冷静に話し始める虫くん。

虫｢ここショッピングモールですよ、周りを見てください。｣

虫くんが言うように周りは騒ぎを見て集まってきた人達で人だかりが出来ていた。

その場に力なくしゃがみ込むと、お父さんもやばいと思ったのか私の腕をやっと離してくれた。

と｢Aちゃんっ…！｣

私のそばに駆け寄ってきて抱き抱えるようにぎゅっとしてくれるとしみつさん。

誰が呼んだのかも分からない警備員さん達もがやってきて私達は別室へと移された。

震える私に警備員さんがブランケットをかけてくれて隣に座るとしみつさんに背中をさすってくれる。

通報もあったのか、警察の人達もきてまともに話せない私をよそに虫くんがこと細かく話してくれた。

母｢あの子はうちの娘なんですよ？！｣

警官｢ですが…、もう成人なさっていますし、彼らや彼女の証言通りあの痣が小さな頃からのものだとしたら、家に返すことはできません。｣

父｢成人してるって年齢だけだろ？！一般常識なんて何も身につけとらん、ただの使いもんにならん人間だぞっ！！｣

自分で言った後にハッとした顔して慌てて訂正をしだすお父さん達。

でもそれはもう遅くて、警察の人達もその言葉を聞き逃してなかった。

お母さんとお父さんは詳しく事情を聞くと警官の人達連行されて行った。

それから虫くんが残っていた警官の人に何やら交渉していて、としみつさんと一緒に虫くんの方へと向かう。

虫｢本当ですか！ありがとうございます！｣

笑顔の二人にどうしたの？と聞くと嬉しそうに報告してくれる虫くん。

ｰｰｰ