６人の救世主。 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:40,424 hit

第 2 話。ページ3

「たすけて…ください…。」

今わかるのは見ず知らずの男性二人ってことだけ。

この人たちが信用できるかもわからない。

でも、助けて欲しい。その一心で差し出された手に自分の手を置いて助けを求めた。

危ない人たちだったらどうしよう。
そう考えられたのは助けを求めたあとだった。

と「こんな時間に女の子が1人で、どうした？」

「逃げてきました…。」

て「逃げてきたって…なにから？」

「親と、家から…」

--としみつside--

「親と、家から…」

小さくて弱々しい声で言う彼女。

自分がなにを思ったのか、それさえもわからないほど驚いた。
でも、もう1つ。

と「てつや…、俺助けたい。この子」

俺は気づけばてつやにそう伝えていた。

て「言うと思ったげ。
家、おいで。」

と「待ててつや、お前の家は汚すぎるし臭すぎる」

て「くっそ！！認めざるを得ん！！」

でも、俺の家だと、1人にさせる時間が長すぎる。
どうせ連れてくなら、てつやの家にいた方がこの子は楽なのか。

と「明日の午前中に片付けられるか？」

て「虫とりょう呼んででも片付けてやる！！」

と「とりあえず、俺んち来るか？」

「いいんですか…？」

と「よくなかったら聞くわけないげ
名前、なんて言うん？」

「藤井Aです」

と「俺ん家ここから少し歩いたとこだけど、少し歩けるか？

…って靴片方ねえんだな」

ふと足元に目をやると片方しか靴を履いてなかった。

「たぶん、途中で脱げたのかと。
自分もさっき気づいて。
でも、歩けますよ」

と「馬鹿げ、そんな状態で歩かせるわけあるか。
おぶってやるから」

「そんな、悪いですよ」

て「気にすることなんかねえ！
こいつなら大丈夫だからおぶってもらえ」

「じ、じゃあ、お言葉に甘えて…」

俺が彼女に背中をむけてしゃがむと遠慮がちに乗ってきた。

と「立つぞ？」

「はい」

びっくりするほど軽かった。

ちゃんと食わせてもらってないのか…？
それとも少食なのか…？

と「じゃあ明日の午後にまた」

「あ、あの、ありがとうございました」

て「おう！」

てつやとわかれ俺は、彼女を背中に乗せて家へと歩き出した――。