え ぴ そ ー ど 20 ページ21
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一番最初に起きて机の上にメモを残して歩いて家に帰る。
早朝の時間帯、昼間は真夏のように暑くてもこの時間帯はまだ涼しくて、
片道30分くらいのてつやの家から私の家まで歩いて帰れるくらいだった。
シャワーを浴びて正装に着替えて再び家を出る。
最寄りの駅から3駅離れた場所、駅から少し歩くと両親のお墓があるお寺に着く。
住職「あれ?佐々木さんの娘さんかい?」
「あ、おじいさん!ご無沙汰しております…!」
住職「毎年ご苦労さま、お上がりなさい。」
中学生になってから、パパとママが了承してくれて私は毎年お父さんとお母さんの命日の日は1人でこのお寺に来ている。
かれこれもう12年くらい。
住職「元気でしたか?」
「はい、元気でした!」
住職「もう16年だねぇ…。」
「あっとゆう間…、ほんとにあっとゆう間です…w」
亡くなってから16年、長いようで短かった。
住職さんに挨拶も済ませ、二人の眠るお墓を目指し石段を登っていく。
「会いに来たよ。」
お墓に向かって頭を下げてお辞儀する。
「よし、綺麗にするねっ!」
隅から隅まで、磨き残しのないように磨いていく。
誕生日の次の日に両親の命日。
親戚の人たちからは酷だわね。なんて言われた時もあった。
確かにそうかもしれない。
だから誕生日はいつも複雑な気持ちで過ごしてたし、命日の日は学校にも行かずただただ気が済むまで泣いていた時だってあった。
大人になってからも立ち直り方をうまく見つけれず、会社を休んだりもした。
だけど今は、今年からは大丈夫。
掃除もひと段落し、お花を飾って手を合わせてから一年の報告をする。
「会社辞めたの、あ、でもちゃんとお仕事はしてるよ?
毎日が楽しい、凄く恵まれてると思う。
YouTuberなんだよ、私。毎日動画投稿してるの、良かったら見てみて…?」
毎年話しながら泣いてしまうのはお決まりのこと、
近くでその姿を見ていて欲しかったって気持ちがどんどん大きくなるから。
「初めて恋人が出来たの、もうお父さんのお嫁さんになりたいなんて言わない歳になったよw
中学時代からの同級生でね、ほんとに頼れる人なんだ。
付き合ってまだ日は浅いけど、もう12年くらい仲だから凄く信頼してる。今度連れてくるね。」
「私は毎日ほんとに幸せだから、これからも見守っててね?」
そう言い終えて、二人に心の中でばいばいと言った瞬間
振り返るとそこにはりょうがいた。
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葉。(プロフ) - あざなさん» あざなさん、コメントありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです…!ありがとうございます!次回作を書き終えるタイミングになってしまうかもですがいつか書きたいです…!気長に待っていてくださると嬉しいです…!頑張ります!ありがとうございます! (2018年8月17日 18時) (レス) id: cc401630f8 (このIDを非表示/違反報告)
あざな(プロフ) - 完結おめでとうございます!!とても素敵な作品で、毎回更新を楽しみにしておりました(/ω\)出来れば更に続編が…(夢主ちゃん妊娠…)なんて。次回作も楽しみにしております、お身体に気を付けて、更新頑張って下さいm(_ _)m (2018年8月17日 13時) (レス) id: ec4104c927 (このIDを非表示/違反報告)
葉。(プロフ) - なのさん» ありがとうございます! (2018年7月26日 4時) (レス) id: cc401630f8 (このIDを非表示/違反報告)
なの - 葉。さん» いえいえ!!応援してます!! (2018年7月26日 0時) (レス) id: f117f84805 (このIDを非表示/違反報告)
葉。(プロフ) - なのさん» なのさん、コメントありがとうございます!!とても嬉しいです(><)!これからもなるべく頑張って毎日更新頑張ります! (2018年7月26日 0時) (レス) id: cc401630f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉。
作成日時:2018年6月30日 21時