一 度 で い い か ら 愛 し て く だ さ い 。

昔 の 話 。 ページ26

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思い出すと体が少し震え出す。


そうか、今でも私怖いんだ。なんて自覚する。



M｢大丈夫？｣


｢すみません、大丈夫です…。｣


｢私、高校2年の時からずっと一人暮らししてるんです。｣


M｢え、ここに？｣


｢はいw もう8年くらい？になります。w｣


｢高校生になったらバイトして働いて、早く自分の帰る家がほしいって中学の頃ずっと思ってたんです。｣


M｢自分の帰る家…？｣


｢はい、小学5年の時両親がいなくなりました…、その年から高校1年まで施設で育ったんです。｣



淡々と話す私を見て驚くみのさん。



M｢亡くなられたの…？｣


｢いえ…、捕まったんです警察に。｣



言葉を失った彼に私は黙々と話した。


やっと誰かが私の話を聞いてくれる、やっと自分から話せた、その思いで不思議と話が止まらなかった。



｢小さな頃から少しでも怒らせると父も母もすぐに暴 力を振るう人達でした、怒らせないように頑張っているつもりでも私はいい子じゃないから怒られてばかりで。

小学生に上がると次第に殴られたりすることが増えました、今でゆう虐待…ってやつですかね…w｣


M｢うん…。｣


｢毎日痛くて苦しくて…、腕とかの痣は見られたくないから夏でも毎日長袖を着てます、今でも。w｣


M｢今もその痣って…？｣



Yシャツをクルッとめくり肘辺りのお痣を見せてすぐに隠す。



｢ここはよく抓られて…なかなか消えてくれないんですよね…w｣



私が笑って話していると隣に座っていたみのさんがぎゅっと抱きしめてくれる。


泣いてしまいそう。


そう思った時にはもう既に涙が流れていた。



M｢泣いていい。｣


｢でも…っ。｣


M｢頑張らなくていいよ、Aちゃんはたくさん頑張ってきたんだから。｣



子供のように泣き喚いて、彼を頼るように縋る。


そんな私を見て驚くこともせず、ただただ優しく頭を撫でてくれる。



｢一度でいい…っ。｣


M｢ん…？｣



泣き止んで落ち着いてからまた話し出すと聞き取れなかったのか、ちゃんと聞き直してくれるみのさん。


もうここまで話したんだ。


ついでに本音も聞いてもらおう。



昔から思っていた本音を。



ｰｰｰ

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