一 度 で い い か ら 愛 し て く だ さ い 。

会 え た 。 ページ3

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あの出来事から一週間ちょっとが経った。


あの日以来、あの人には会えていない。


駅でたまたま会った。


ただそれだけなのに、私はあのアフロのお兄さんのことを忘れらないでいた。


あの笑顔、ほんとに素敵だった。


見た目はすごく個性的だけど、そんなところもあの人だから、素敵だと思えてしまう。


もう一度会いたい。


あの人なら、私の退屈な毎日を変えてくれそう。


なんの根拠もないけど、直感的にそう思ってしまった。




ｰｰｰ



日曜にも関わらずまさかの休日出勤。



｢ついてないな〜…。｣



明日の朝一会議で必要な書類を作るため、私だけが出勤していた。


金曜にこの仕事を告げられ、その場にいた同僚とのじゃんけんで負けてしまったから。


さっさと仕事終わらせて帰ろう。



この仕事が好きなわけでもないけど、私には仕事くらいしか打ち込めるものがない。


これといった趣味もないし、友達がいないわけじゃないけど自分から誘って会おうとも思わない。


私には何もない、守りたいものも何も。



｢なにが楽しくて、生きてるの…？｣



窓に反射して映る自分に質問してみる。


帰ってくるはずのない答えを探して。



空が赤く茜色に染まってきた頃、仕事が終わり駅に向かう。


今日も特に何もない一日。









そうなるはずだった。



？｢お姉さーん、ハンカチ落としたよーっ？｣



迫ってくる声と足音、私だと気づかず歩いていると肩を軽くトントンと叩かれる。



？｢待てってば。これ、お姉さんのでしょ？｣


｢え？あ、ありがとうございます…！｣


？｢良かったね、優しい人に拾ってもらえて。w｣



自分で優しいと言い微笑んでくる茶髪のお兄さん。



？｢てかお姉さん、超美人だねーw｣



もしかして口説かれてる…？



？｢連絡先教えてっ？｣



あ、がっつり口説かれてる…。


しかも耳元で囁くように言ってくる感じ、見るからにチャラそう。



｢あ、いや…w｣


？｢えー、いいじゃーん。w｣



グイグイ系…、すごく苦手なタイプ。


連絡先を教えて解放してくれるならいいかと思い携帯を取り出し操作してると誰かに腕を握られる。



｢え？なんで…？｣



目の前にいたのは紛れもなく、あの日出会ったあの人だった。






ｰｰｰ

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