君の歌に恋をする ２【歌い手】

ウタコイ７６ ページ44

歌詞さんの一言で、またみんな私の声がセクシーみたいな話をし始めた

最初は笑って聞き流してたんだけど、結構長くその話を引っ張るから

「もうmusic effectやだ」

キラちゃん怒りましたよ
ふんっだ

９「あ…やっべ…」

猫さんがあからさまに『やべぇ、やらかした』みたいな声を出してる
気づくの遅いんだからね、ばか

寝ちゃったのは私が悪かったけど、そんなにからかうことないでしょ

てゆーか何、みんなのほうが色気ある声してるのに嫌味かなんかなの

しかも初恋の話とかまで引っ張り出そうとするしデリカシーなさすぎなの？

この状況、正直大学と似てるし

私のことを遠巻きに噂する下世話な学生たちや、馴れ馴れしく話しかけてくるチャラい男子たち

あーぁ、嫌なことまで思い出しちゃった

かといって私の部屋だし仮にも生放送中だしで出て行くわけにもいかず、ふてくされてそっぽを向いた

すると、そらがこっちに歩いてきた

そして目の前でしゃがんで目線を合わせると…

そ「そんな可愛い顔しないの‼
ごめんね、俺、好きな子ほどいじめたくなっちゃうから…」

そう言って優しく頭をぽんぽんしてくれた

…好きな子ほどいじめたくなるって、やっぱりそらはドSだ

まぁでも、そらは確かにそうかもしれない

まふのこと、いつもからかってるもんね

「私、ちゃんとそらのお友達として好きになってもらえてたのか…」

新発見

何それめっちゃ嬉しい

「いいよ、そら
ごめんね、私が生放送中に寝たのがダメだった…」

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