君の歌に恋をする ２【歌い手】

ウタコイ６０ 歌詞太郎side ページ21

僕はキラちゃんから逃げるように部屋を去った

2人で顔を赤くして俯いてるなんて、どんな空間だよもう…

まだ顔が火照ってるのがわかる

…だって、反則だ

初めて見るような顔いっぱいして

キュンとしないわけがないんだよ

歌「かわい、かった…」

それとともに、自覚した

もう見て見ぬ振りはできない気持ちが、確かに僕に芽生えていること

キラちゃんが、好きだ

もう、みんなのお父さんみたいには振る舞えない

キラちゃんが欲しくて、どうしようもなくなってしまったから

ガタンッ、と背後から大きな音がして振り返ると、まふくんが立っていた

ま「なに、話してたんですか？」

その目にあるのは、嫉妬と不安

あぁ、困ったな

僕はなんて人を好きになってしまったんだろう

歌「怪我した経緯とかだよ？」

とっさに笑顔を作ってみたものの、まふくんはお気に召さなかったみたいだ

ま「それなら歌詞太郎さん、どうしてそんなに顔赤いんですか？」

…こういう時、まふくんは本当に鋭い

おそらく、僕がオチたことも既に察してしまっているだろう

なら、堂々と宣言しても変わらないよね

歌「キラちゃんのこと、好きになったから…みんなで正々堂々、取り合おうね？」

まふくんはやっぱりか…という表情をした

そして

ま「負けませんからね‼」

そう笑って、キラちゃんの部屋に入っていった

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