#15 ページ15
mgr.
部活のミーティングがいつもより早く終わった。
他の奴らは遊びに行こうとかサッカーやろうぜとか騒いでた
俺も誘われたけど、今日はなんとなく気分になれなかった
「あ、Aさん…」
靴箱に着くとAさんがいた。やけに深刻そうな顔をしているしブツブツなにか呟いていて気になってしょうがなかった
「…Aさん、？今帰り？」
俺が話しかけると彼女は少し動揺していた
何か悩み事があるみたいで、俺は1人で悩んでるAさんを放って置けなかった
勢いに任せて「一緒に帰らない？」なんて提案した。
心臓がやけにうるさく鳴り続いていて冷静な顔をするのに必死になる
…帰り道、はじめは特に会話もなかった
Aさんになんて声かけよう、なんで悩んでたのか聞くの変かな、そもそも俺には話しずらいよな、とか考えてたら喋りずらくなってしまった
でも、せっかく自分で作ったチャンスを逃したくなくて。
「そういえば、何をあんなに悩んでたの？
なんか嫌なことあった？なんかされたりとか？」
「あぁ、なんかね……」
そういってAさんは悩みの種を話してくれた
どれも重大な悩みだ、入学してすぐなのに…、大変だな
…そういえば、俺も部室で先輩が話してるの聞いたことがあった
”1年にあの渡辺を一目惚れさせた女がいるらしい”
とか
”深澤先輩も興味あるらしい”
とか…
詳しいことはよく分からないけど、多分先輩の話と関係ありそうだと俺の頭でもわかった
「Aさん、その悩みを解決させるの俺にも手伝わせて？」
咄嗟に口に出した言葉だけど、本心でもあった。
好きな女の子が好き勝手噂流されてるの、許せないタイプだし
「…ていうか目黒くん、AさんじゃなくてAって普通に呼んでもいいんだよ？ラウたちみたいにさ！」
「あ、ほんとに？なら、Aで。
じゃあさ、俺のこと蓮って呼んでよ。あだ名交換しよ」
あだ名交換ってなに？なんて笑いながら言う君が愛おしい
「うん、わかった！じゃあ、蓮くんで」
…、でも俺だけ呼び捨てじゃないの、2人に嫉妬する
「じゃあ、私こっちだから…」
「家まで送るよ、もう暗くなっちゃってるし」
「ううん、もうすぐだから！大丈夫！」
じゃあね、と言ってAと別れた。
余韻に浸りたくて、上げた手を俺はなかなか降ろせないでいた
続く
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あむ(プロフ) - あたりんさん» えーありがとうございます(T T)めちゃくちゃ嬉しいです頑張ります> <！ (3月14日 19時) (
レス) @page15 id: 1d81deb5ac (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (3月14日 8時) (レス) @page14 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ | 作成日時：2024年3月12日 5時
