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電話がかかって来た。
兄貴からだった。
『なに？
どうしたの』
不二《……あ。
A、
今電話かけてもよかった？》
『出たって事は良いって事だよ。
それで、
何かあった？』
不二《今週、
青学でテニスの試合があるんだ。
もし良ければなんだけど、
見に来ない？》
『……あー。
ごめん、
用事がある』
不二《じゃあ、
来週の土曜日》
『その日も予定があって』
不二《…いつなら、良い？
Aに合わせるよ》
『うーん。
悪いけど、
テストが近くて。
しばらくは無理かな…』
不二《そっか。
中々会ってなかったから
会いたかったんだけど…。
それなら仕方ないね、
また電話する》
『うん。
ところで兄さん』
不二《なに？》
『俺は何処かの天才さんと肩を並べるために、
勉強してるから。
俺のことを想ってるなら、
連絡はない方が嬉しいな』
不二《……》
『いや、
ごめんね。
こんな事兄さんに言っても仕方ないし、
でも………
───俺は兄さんがテニスを始めていなかった、
一緒に肩を並べて遊んでいた
あの頃の兄さんが好きだったな』
かたん、
携帯越しにそんな音がした。
『じゃあね、
練習頑張って』
携帯を落としたのだろうか。
でもまぁそんな事はどうでも良い。
電話を切れば、
さっさと家に帰った。
────
【青学にて】
菊丸「どうしたの不二、
さっきからミスばっかだよ？」
不二「…うん……」
誰の目から見ても
"不二周介"は好調とは言えなかった。
不二「…ねぇ、英二」
菊丸「ん？
どしたの不二」
不二「テニス………
やめようかな」
菊丸「ええっ？！」
大石「不二？！
悩みがあるなら聞くぞ？！」
不二「…いや。冗談だよ」
珍しく
弱々しく笑った
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作者名：y | 作成日時：2023年11月28日 18時
