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衣装を身につけた上から、いつものジャージを羽織る。ヴィクトルが着けていたのと同じデザインのものだ。
ペットボトルの水を持って、ユーリやリリア、ヤコフの居るとこまで行こうとした時だった。
＿＿＿A
ふと名前を呼ばれ振り向くと、そこには離れてから何度も何度も会いたいと願った人がいた。
『ヴィクトル』
少し雰囲気が丸くなったように感じる彼。きっと日本で暮らして、カツキユウリと過ごして、八ヶ月強の間に彼も変わったのだろう。
変わらないものは、何もない。
ヴィ「ショート、一位おめでとう。見違えたよ。」
『……うん』
ヴィクトルの声も表情も、二人の間に流れる沈黙も、確かに哀を帯びているのに。
それでさえどうでもいいと思うくらい、会えたのが嬉しかった。
『……最近、寒いだろ』
ヴィ「え……ああ、うん」
突拍子もない話題にびっくりしたのか、少し動揺した返事が返ってきた。
『寒いと、サンクトの夕暮れっていうか……夕日も沈んだあとのまだちょっとだけ空が明るくて夜になりかけた時の景色を少しだけ思い出すんだ』
ヴィ「………」
『貴方と出会った時の、リンクの空気に似ているから』
ヴィクトルと目を合わせると、明るいブルーの瞳に薄く涙の膜が張っていた。まるで、これから何を言われるか分かっているみたいな、そんな顔だった。
『俺、貴方のことが好きだったよ』
ねえ、逃げたくなかったんだ、ユーリ。
俺よりも二個下の君は、どんな形だって俺に真っ直ぐ愛を伝えてくれたのに。
ぐじぐじと悩むだけ悩んで、君の前で泣くだけ泣いて、その後に「変わらないものは何もないんだから」って君の手を取ることはできない。
『だからこれで最後にする。貴方のことを思って滑るのは、これが最後。』
ヴィ「A……」
それに、彼が俺をどん底から救ってくれたのは紛れもない事実だ。
けじめをつけよう。
ここで終わりって、はっきり線を引こう。
『ありがとうヴィクトル。本当に、本当に愛してた。……勇利と、幸せにね』
俺は踵を返して、その場所を後にした。
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めろんぱん(プロフ) - 冷飯さん» (ヾﾉ・∀・｀)ｲｴｲｴ、良かったです (2017年1月7日 18時) (
レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - めろんぱんさん» 恥ずかしい……！！ご指摘ありがとうございます！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 18の所でジャンジャックがジャックになってますよ！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - レオさん» はじめまして！わーお褒めの言葉ありがとうございます！わくわくしていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年1月5日 12時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
レオ(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく見ています！次の話がどうなるのかとてもわくわくしながら次の更新を待っています(*´∀`)♪ (2017年1月4日 23時) (レス) id: bb13c0b6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷茶漬け | 作成日時：2016年12月19日 22時
