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ユ「悪いな、奢ってもらって、しかも部屋にまで送ってもらっちまってよ」
J「良いんだよ。本当にベッドまで運ばなくて大丈夫か？」
Aを肩に担いだまま、大丈夫だと頑として譲らない俺を見てJJはわかったよ、と苦笑した。
じゃ、と言ってJJが立ち去ろうとすると、Aが身じろぎして唸った。
『う……うん……』
俺とJJはさっきみたいにびくっと静止して、そのままAが寝息を立て続けるのに安心して脱力した。
J「……じゃあ」
ユ「ああ。次の大会ではぜってぇ負けねぇ。叩き潰してやるからな」
J「おーこわ」
Aを起こさないように小さな声でそう威嚇するとJJはおどけて首をすくめ、また苦笑した。
もう一度じゃあ、と言ったJJは、自分から立ち去る合図を出したくせにその場から一向に動かなかった。
でも、今ここで「早く帰れよ」とその鼻っ面を足蹴にしてやることはどうしたってできなかった。
視線はAを愛おしげに見つめていて、甘く掠れた恋心をまた少しだけ燃やしているかのようだったからだ。
きっと彼は、昔の恋心をここで燃やし尽くそうとしているのだ。
濡れた瞳が数秒ゆらゆらと揺れて、切なく苦しそうに細められた。
「好きだったよ。本当に愛していた。」
そう、穏やかな声が聞こえてきそうだった。
それを俺は、ちくちくと心の内が痛むのを我慢しながら見つめていた。
次の瞬間、パッと顔をあげて笑ったJJは、またロシア大会で会おうと言って去っていった。
俺はその後ろ姿を静かに少しだけ見送ったあと、数日前と同じようにゴン、ガンと騒がしく音を立てながらAを部屋に引きずり込み、ベッドに寝かせた。
JJのAに触る手つきを、見つめる瞳を、Aのことを好きだと言った時の声を思い出す。
彼は俺と同じようにAに恋をし、Aの言動のひとつひとつにときめき、Aと離れていれば会いたいと胸を焦がし、触れたいと願い、彼との未来を望み、彼の一番隣に居たいと思い、彼を自分の手で幸せにしたいと願ったのだ。
そういう風にAと関わったときがあるのだ。
＿＿＿＿大好きだった
叶わなかったJJの恋。
叶わないAの恋。
叶うかどうかなんて分からない、俺の恋。
恋って、なんて難しい。
そんなことを考えたら俺は少しだけ、
少しだけ、泣きそうになった。
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めろんぱん(プロフ) - 冷飯さん» (ヾﾉ・∀・｀)ｲｴｲｴ、良かったです (2017年1月7日 18時) (
レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - めろんぱんさん» 恥ずかしい……！！ご指摘ありがとうございます！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 18の所でジャンジャックがジャックになってますよ！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - レオさん» はじめまして！わーお褒めの言葉ありがとうございます！わくわくしていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年1月5日 12時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
レオ(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく見ています！次の話がどうなるのかとてもわくわくしながら次の更新を待っています(*´∀`)♪ (2017年1月4日 23時) (レス) id: bb13c0b6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷茶漬け | 作成日時：2016年12月19日 22時
