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俺は泣いたりしなかった。
泣くこともできなかった。
ただずっと何かする度にパパのことを考えて、パパとの日々を思い出して
「トリプルルッツ、決めました。見事な着氷です」
「片手を上げてのジャンプですので、大きな加点源となりますね」
どうしてなのって
僕を置いて行ったのって
観覧車だって一緒に乗りたかった
パパとやりたいことなら一杯あった
「見事なシットスピンです」
僕はずっと、僕の人生のほんの最初の時に消えてしまったパパのこと
繰り返し繰り返し考えて
あの時に戻りたいって思い出して
「四回転トウループ、最後のステップシークエンスです」
でも僕とパパの時間は、どうしようもなくあの病室で立ち止まったまま
書き足されることもなく、ほんのりと少しずつ、画用紙に載せた鉛筆の黒鉛が掠れていくみたいに色褪せていって
「繊細で華麗なステップです。素晴らしい。」
「ため息の出るような鮮やかなステップは彼の持ち味ですね」
過去に戻ることも、未来に進むこともできないまま、中途半端で
＿＿＿＿＿A
もう、パパの声もよく思い出せないのに
「最後のジャンプはトリプルフリップ。これも華麗に決めました」
リンクの中央で最後のポーズをとると、自分の滑った滑走痕が銀色の氷に白く浮き出ているのが見えた。
ひんやりと冷たい空気がそっと、激しく上下する首元を撫でて
こうしてみると、氷上ってまるで
「圧巻の演技。今回も素晴らしい芸術を魅せつけてくれました、A・アンドレフ！！拍手と歓声が鳴り止みません！！」
月面みたいだ
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めろんぱん(プロフ) - 冷飯さん» (ヾﾉ・∀・｀)ｲｴｲｴ、良かったです (2017年1月7日 18時) (
レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - めろんぱんさん» 恥ずかしい……！！ご指摘ありがとうございます！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 18の所でジャンジャックがジャックになってますよ！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - レオさん» はじめまして！わーお褒めの言葉ありがとうございます！わくわくしていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年1月5日 12時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
レオ(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく見ています！次の話がどうなるのかとてもわくわくしながら次の更新を待っています(*´∀`)♪ (2017年1月4日 23時) (レス) id: bb13c0b6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷茶漬け | 作成日時：2016年12月19日 22時
