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玄関先で、リリアが俺の首にマフラーをかける。器用なリリアが俺とAの為に手編みしたマフラーは、ふわふわと首元を包み込んだ。
俺のは緑色で、Aのは紫色。それぞれの瞳の色だ。
リ「いってらっしゃい。」
ヤ「わしらも後から会場に合流するからな。」
『うん。ありがとう、リリアにヤコフ。マフラー、大切にする』
ユ「じゃあな」
俺たちはそれぞれキャリーケースを引きずりながら、共にカナダ大会に出場するべくリリアの家を後にした。
シーズンを迎えたロシアはすこぶる寒く、長く厚めに編まれたリリアのマフラーがとてもありがたく感じる。
『カナダ大会、がんばろうな』
不意に隣を歩くAが口を開いて、俺がそちらを向いたのと同時に微笑んだ。
ユ「……金は俺が取る」
『俺だって譲る気はないさ』
俺達が見据えているのは、グランプリファイナル。スケート選手なら誰もが夢見る大舞台に立つために、隣にいる奴にも負けるわけにはいかない。
俺がそう身体を固くしていると、キャリーケースを持っていない方の手が不意にぼふっと鈍い衝撃を受けた。
『まだカナダに着いても居ないんだぜ。そう固くなるなよ』
にっこりと余裕そうに笑うAは、二人分の手袋越しに俺の手をぎゅっと握った。
分厚い手袋越しには彼の体温は伝わってこないけれど、その仕草は俺の身体を熱くするには十分すぎた。
びっくりした俺の表情を、真っ白な周りの景色からそっくり切り取られたように目に鮮やかな黒髪を揺らして笑う彼。
もう十七の癖に俺と身長が変わらなくて、きっとこのまま俺が追い越すんだろうなって思ってた。
握られた手が自分のものじゃないみたいで、心臓が酷く脈打つ。
ああ、ダメだ、今はダメなのに。大事な大会前なのに。
Aの話し声や微かな笑い声を余所に、俺の心はただ余裕なく動きまわって「好き」をだだ漏れに溢れさせた。
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めろんぱん(プロフ) - 冷飯さん» (ヾﾉ・∀・｀)ｲｴｲｴ、良かったです (2017年1月7日 18時) (
レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - めろんぱんさん» 恥ずかしい……！！ご指摘ありがとうございます！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 18の所でジャンジャックがジャックになってますよ！ (2017年1月7日 18時) (レス) id: 2189ebac43 (このIDを非表示/違反報告)
冷飯(プロフ) - レオさん» はじめまして！わーお褒めの言葉ありがとうございます！わくわくしていただけて嬉しいです！更新頑張ります！ (2017年1月5日 12時) (レス) id: d247133e2c (このIDを非表示/違反報告)
レオ(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく見ています！次の話がどうなるのかとてもわくわくしながら次の更新を待っています(*´∀`)♪ (2017年1月4日 23時) (レス) id: bb13c0b6f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷茶漬け | 作成日時：2016年12月19日 22時
