第148話 声と涙 ページ48
カチャ
ピンを使って、箱を開けると中にはスマホが入っていた
これって…私のだ
業に、かけなきゃ!
私は生きてるって…だから安心してって……
ロックを解除して電話帳の中から、急いで業を探した
声が聴ける…
ずっと望んでいた彼の声が。
プルルルル
「もしもし……」
業…業の声だ
久しぶりの声に涙が出てしまう
たった3日会えないだけで、寂しいなんて…
『もしもし……業……』
「A……今どこいんの…」
感動で涙が次々に出てくる
彼の声を聴けただけで、嬉しい
『わからない…
起きたら知らないところにいたの。ずっと電話もメールもできなかった。』
「今すぐ会いたい……」
声が震えてる…ずっと心配してくれてたんだ……
あの時、私が倒れて業は……今にも泣きそうだった
そんな彼の顔が3日間ずっと頭から離れない
『業……
私も会いたい……。
ここは薄暗くて怖いの……早く外に出たい…』
「助け出す…絶対に……。
だから待ってて…」
ありがとう…業
その言葉1つで、私は頑張ることが出来る
信じてる…
きっとあなたが私を見つけ出してくれるって
『待ってる……だから……(プツ)』
その先は言えなかった
私の手からスマホがするりと抜けて、通話を切られた
背後にいたのは、出て行ったはずの白川さんだった
*
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作者名:紫 | 作成日時:2019年1月7日 22時