第105話 過去4 ページ5
助けてほしい……
この痛みから解放して欲しい
神様!!!
そう願った。
そんな私の願いに反応したのは神じゃない、悪魔
私の体を貸せば私を救ってくれると言った
そして私の願いを叶えてあげると…
私は望みに負けた。
承諾した瞬間、勝手に体が動いた
首からは黒い触手が出ていて、まるで殺人マシーン
痛みが気持ちよかった
何も考えれない
ただひたすら人を殺した
気づくと彼の腕の中にいた
どうしてか分からなかったけど、泣いていた
目の前には炎に包まれた研究所
『なんで泣いてるの?』
祐介「全然…大丈夫じゃないだろ」
『うん……そうだね…。でも外に出れた。あそこからやっと救われる。
祐介「でも体が傷だらけだ……」
『ねぇ、私これからどうしたらいい?どうやって生きてくのかわかんないよ』
祐介「一緒に暮らそう…生きる術を全部教えてあげる。だから何があっても死ぬな……」
涙を流しながら言ってる
そこで初めて自分の体を見た
至る所怪我していて、足なんて骨折してる
出血が多くて重症
『死なないよ…。私はもう人間じゃないから。』
祐介「人間だ!普通の子供だ!」
『触手を持つ子供なんていないよ…』
祐介「欲しいものはなんでもあげる…だから死なないでくれ………」
『あのね……私ずっと欲しかったものがあるんだ…』
これはずっと言う気なかった
言ったところで彼を困らせるだけだから
本当はずっと望んでた…
でも認めてしまえば私は惨めになる
だから、ずっと認めなかった…
祐介「なんだ?」
『お父さん……お父さんが欲しいの…。』
祐介「俺がお父さんになる!だから絶対に死ぬな!」
『お父さん…ありがとう……これからも……』
祐介「おぃ。おい!」
どんどん気が遠くなって行く
私死ぬのかな?
やっと家族ができたのに…
まだお父さんと居たい。
・
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・
「……A起きて…」
『ん……カルマ。なんだ…夢か…』
久しぶりに見たな…
お父さんが死んでから、写真を見ることも無くなって
記憶の中のお父さんしか思い出せなくなってた
「大丈夫?泣いてるけど…」
『ほんとだ……私泣いてる…』
気づかなかった…
いい歳して泣くなんて…
『はは……なんでだろ…おっかしいなぁ…』
なんで止まないんだろ…
カルマが目の前にいるから?それとも夢を見たから?
よりによってなんでカルマに見られるんだろ……
*
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作者名:紫 | 作成日時:2019年1月7日 22時