第104話 過去3 ページ4
祐介「君の名前は??」
『名前なんてない……』
祐介「それじゃぁ、僕がつけてもいいかな?」
『つけてくれるの?』
祐介「うん、名前が無いと呼びにくいしね」
『わかった』
祐介「う〜ん、何がいいかな〜?葵?桜子?迷うな〜。あっ!Aなんてどう?」
『A?』
祐介「この名前が1番似合うと思うけど…」
『A……』
嬉しい…今まで誰も名前なんて付けてくれなかった
祐介「笑ってくれてるってことは、気に入ったのかな?」
『うん!』
祐介「そっか、よかった!」
『ところで、今日は何を暗記するの?』
祐介「今日は、お互いの自己紹介だよ」
『自己紹介?って何するの?』
祐介「好きなことや嫌いなことを2人で話すんだよ」
『お勉強はなし?』
祐介「なし!!」
勉強をしない日なんてなかった
だいたい毎日させられてたし
でも今日はしなくていい!
大きな解放感!!
祐介「勉強も、楽しいよ?」
『楽しくないよ…。ただ覚えるだけだから』
祐介「そっか…。これから僕と勉強の楽しさを学ぼう」
『……。頑張ってみる』
その日は一日中おしゃべりだった
お互いのことを教え合った
次の日は勉強だったけど、彼が言った通り勉強は楽しかった
彼は私に勉強を教えるが、前の男みたいな暴力的なことはしなかった
彼が心の支えになって心身ともに回復して行き、
それから2年の月日が経った
私は5歳になり実験もだんだん激しくなった
体がボロボロになっても、彼が手当をしてくれた
そしてあの日がやって来た
ブィーン (戸の開く音)
研究者「今日は朝から実験だ。神々君は出ていってくれ」
祐介「ちょっと待ってください!少しぐらい彼女に休養を……研究者「黙れ。出ていかないんだったらお前はクビだ」」
『もう、いいよ…私は大丈夫』
祐介「でも……」
『大丈夫だから……』
私を信用したのか彼は潔く出ていった
研究者「あの男はお前に心を与えたようだな…。だが、それも今日で終わりだ」
『何をするの?』
研究者「新しい段階に進む」
『新しい段階……』
また手足を縛られた
もう1人の研究者が注射器を持ってきて、私に近ずける
色は今までと同じ赤色
首元に打たれた瞬間、ものすごいスピードで痛みが駆け巡った
今までより遥かに痛い
研究室に響き渡る私の叫び声
何も考えれなかった
考えれないのに、声が聞こえる
私の意識はその声にとられた
*
神々 祐介
23歳
黒髪
殺し屋and研究者
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作者名:紫 | 作成日時:2019年1月7日 22時