長くて幸せな、夢【HiGH＆LOW】 (ページ10)

今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:144,687 hit

情報屋とRUDEBOYS ページ10

｢そーいう訳で、ララちゃん？にお話を聞きたくて｣

へらっと笑うAの手首にはくっきりと赤い指の跡がついていたが、Aはそれには全く触れずに、スモーキーに事情を話して、最後にそう言った

暫く思案した後、しかしスモーキーはAに鋭い視線で敵意を向けた。

Aは肩を竦めて提示した写真に手を伸ばそうとするが、その前にスモーキーがそれをかすめ取った

｢……ララは関係ない｣

そう言うと、同じように露骨に敵意をむき出しにするタケシに写真や書類を渡す

タケシは迷いなくそれらをごうごうと火の焚かれているドラム缶へ投げ捨てた

それを見て何か言おうと口を開いたAだったが、一度息を吐いて困った様な笑顔を浮かべた

｢……だろうね。多分彼女も利用された1人だけど、こういうのは尻尾から辿っていくのが一番早いんですよ｣

｢……家族に手を出すなら容赦しない｣

ピンと張り詰めた空気に、Aは一瞬眉を潜め、探るような視線をスモーキーに向ける

────しかし、すぐにまた笑顔を浮かべ、ひらりと手を挙げた

｢…………はいはい、わかりました、じゃ、別の方法で探すことにします｣

｢そうしろ｣

冷たく言い放つスモーキーに、Aは壊れた変声機を更に踏み潰し、無名街の出口へと向かった。

｢あ、そうだそうだ、スモーキーさん｣

背後で、未だ睨みを利かせるスモーキーに、Aはにこやかに告げた

｢あなたの選択、それ、ハズレですからね？｣

・