長くて幸せな、夢【HiGH＆LOW】 (ページ23)

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情報屋の拠点ページ23

ぐいっと伸びをして、Aは目下を見下ろした

ガラスに移る自身の顔に貼られた絆創膏に、昨夜の事が思い出されたが、Aはそれを忘れるように、と軽く頭を左右に振った。

綺麗に片付けられたホテルの一室には、一つの、大きめなショルダーバッグが投げ出されているのみだった。

以前Aが拠点としていたホテルから少し離れた、しかしそれでもそこそこ名のあるホテルの最上階。

眺めは、悪くはなかった

少しの間、そうしてから、Aは思い出したようにベッドに腰掛け、ショルダーバッグからノートパソコンを取り出し電源を入れた

USBを差し込み、中のファイルを開いた時、携帯電話が鳴り響いた

Aはいつも数台の飛ばし携帯、ガラケーと、メイン機のスマホを１台持ち歩いている。

他人に教える電話番号は、いつも飛ばし携帯の番号で、しかし鳴ったのは、スマホの方だった

兄に与えられてから買い変えていないそのスマホの番号を知っているのは、数人だ

｢────はい？｣

｢Aか｣

表示された通りの人物の声に、Aは口元に笑みを浮かべながら、改めて、パソコンを操作する

｢ああ、Rockyですか。何の御用ですか？｣

軽快にキーボードを叩きながら、電話の向こうのRockyに問い掛ける

｢レッドランの件で伝えておきたい事がある。出て来れるか｣

｢あー……わかりました、30分程度で到着すると思います｣

そんなやりとりの後に、Aは通話を終了させ、そのままごろんとベッドに横になった

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