長くて幸せな、夢【HiGH＆LOW】 (ページ3)

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情報屋と洋食屋ページ3

からんからん、と、ドアの開く音がして、店員が振り返った

ＩＴＯＫＡＮ

A行きつけの洋食屋であるここは、山王連合会の、所謂溜まり場であった

｢こんにちはー｣

｢あ、いらっしゃい……星堂｣

壁に描かれた山王連合会のロゴをちらりと見てから、カウンターに腰を下ろした

｢ナオミさん、オムライスとー……ホットコーヒー｣

｢ん、ちょっと待ってな｣

にこやかにそう言うナオミの後ろ姿を眺めながら、Aはスマホの電源を付ける

【不在着信６件】

履歴を確認して、思わず苦笑いを浮かべるA。

そうしている内にも、ぶぶぶっとバイブレーションが鳴り、着信を告げる

｢はい、もしもしー？｣

｢ようやく出ましたか。Rocky、Aです｣

聞きなれた声に、Aは釣り上がる口元を手で覆う

｢────Aか｣

｢はぁい、すいませんね、電源切ってたんですよ。何の御用ですか？｣

ちらりとこちらを見たナオミに笑顔を浮かべてから、Aは出された水を口に含んだ

｢至急に見てもらいたいものがある｣

｢すいません今お昼ご飯食べてるんで。あー……｣

Aは腕時計を確認してからチラリとナオミを見やる

｢30分後に伺います｣

｢…………わかった｣

不機嫌そうなRockyの声に、思わず吹き出してから、それでは、と通話を終了させた

｢仕事の電話？｣

｢バイト先で欠員が出たみたいで｣

｢大変だな、はい、お待ちどうさま｣

綺麗に包まれたオムライスを前に、Aはパチリと手を合わせた

｢いただきます｣

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