長くて幸せな、夢【HiGH＆LOW】 (ページ19)

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情報屋と虫の知らせページ19

｢……ここが、｣

午後10時45分。
約束の十五分前。

煌びやかなclub、FUNK JUNGLEに似つかわしくない格好だと自覚しながらも、Aは路肩にバイクを止めた

冷たい風が頬を撫でる

何故だろう。

こんなにも良い日だというのに。

｢虫の知らせ……いや、悪い予感？｣

ぶるりと体を震わせてから、漆黒のライダースジャケットの前をしっかりと合わせ、Aは、FUNK JUNGLEへと足を踏み入れた

外装に負けず劣らずの煌びやかな内装。

立ち上る熱気は、思わず狂気を感じさせる程だった

｢────…………｣

店の中をぐるりと見渡す。

｢彼処か、｣

足音も聞こえないほどの盛り上がりを見せる店内を人にぶつからないようにして歩き、漸く、上に続く階段を見つける

｢Authorized Personnel Only(関係者以外立ち入り禁止)｣

そんな声が聞こえ、顔だけを振り向かせる

冷たい視線を向ける女に、Aは暫く考えるようにしてから、階段を登る

｢っ────！？｣

ぐらりと視界が揺れたかと思うと、次の瞬間、全身を衝撃が襲い、体内の空気がすべて吐き出されたかのような感覚。

投げ飛ばされ、地面に体を叩きつけられたと頭で理解するのに、数十秒かかり、それを理解しきった頃には、Aの襟首を掴みあげる女の顔が間近にあった

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