長くて幸せな、夢【HiGH＆LOW】 (ページ12)

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Rockyと情報屋ページ12

｢寝不足、疲労、微熱……一体何なんですか｣

すやすやと眠るAの額に冷却シートを貼り付けながら、KOOが呟く

｢本質は変わらず、か｣

思わず上がる口角をそのままに、Rockyは手錠を鳴らした

KOOは、大きめのタオルケットをAに掛けてやり、氷の溶けてしまったグラスを手に取った

｢……以前から思っていたんですが、Rocky、Aさんとはどのようなご関係で？｣

女性に対しては無差別に甘いRockyなのにも関わらず、ＩＴＯＫＡＮでの件や今回のSDの件、必要以上にRockyはAに辛く当たった

情報屋としてAが名前をあげだして数年。

しかしそれ以前も、RockyはAを贔屓にしていたし、普通ならば顔や素性を隠すAが、KOOやAIZAWA、ほかの店員にすらその顔と名前を晒している。

馬鹿なのか、最初はKOOもそう思ったが、Aの手腕は驚く程に見事で鮮やかで。

そんなことに気づかない人間であるわけがないと思い始めた頃、KOOは、AがRockyに向ける視線の中に、非常に分かりにくい"信頼"の欠片を見つけた

じゃらり、手錠が擦れ合う音に、Aが小さく唸り声をあげた

｢Aは……、妹分か｣

ゆるく挙げられた口元、サングラス越しに、Aを眺める瞳も、恐らくほんの少し、緩められているのだろうか

｢妹分？……意外ですね、貴方からそんな言葉が聞けるなんて｣

｢ふっ……｣

そう笑ったRockyに反応する様に、Aが小さく身じろいだ

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