思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

25話 ページ27

「Aさん！できました！！」


『ふむふむ、みせたまえ…
うん、半分正解。』



ご飯中。
灰羽くんの宿題は全く終わる気配がないので
今もやる。

おかげさまで他のマネージャーさんたちと一緒に食事ができない。
泣ける。



この間まで全部バツだった問題が、半分丸がついている。
まぁ、これは大きな成長と言ってもよいのだが、



『つーか私が説明した例文と全く同じじゃん！？
…うわ萎え〜、ま、こういうこともある…あるけども…』



気にせず頑張ろうか、と言おうとした。
しかし、灰羽くんに言葉を遮られる。



「この数週間でここまで丸がつくなんて…！！
俺、実は天才だと思うんですけどどうですかね！？」



そんなことを言い始めた。
いや、全然あってないよ？

うん、私高校生相手だからって優しくしすぎたね、



『あのさぁ？灰羽くん、復習してる？
君が間違えたところ、全部この間教えた暗記が必須の熟語なんだけど？
灰羽くんのことだから練習終わったあとノートも見ないで
寝てるんじゃないの？てか絶対そうだよね？』


「うぐっ…」



ノンブレスで、笑顔で言い切った。
少し声が大きくて、食堂にいた人に聞こえているようだが気にしない。

だって私社会人だもの



『灰羽くんさ、授業より復習が大事って教わらなかった？？
前より努力してるのは分かるよ？でもさ、
足りないんだよ？英語の文法なんて暗記しないと始まらないよ？
いいんだよ、私は別に。灰羽くんが宿題終わらなかろうが、
宿題テスト不合格になろうが。
あくまでもここにいるのは善意だよ？』



「あっ、あのAさ『人の時間をもらってるんだから、それなりに答えようか？』
…はいっ！！！！！」

26話→←24話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す