思い出しかない高校時代に戻ってたとかウケるんですけど【音駒高校】

10話 ページ12

『わぁ！！やっぱり！』


「…中村さん」



私の顔を見て、名前を呼んでくれる。
この子、さては人見知りだな…。

嫌われているわけではなさそうだ。




『こんにちは、孤爪くん！
今日はなんのゲームしてるの？？』



「…ただの、格闘ゲーム」



『そうなんだ！！いっぱいゲーム持ってるんだね！』



嫌、と孤爪くんが言わないのをいいことに、
どんどん話しかける精神ババアの私。

なんだか、孫に話しかけている気分になる。


ゲームについていっぱい質問していると、




「…中村さん、ゲーム好きなの？」



とたずねられた。
孤爪くんから質問をされたのが嬉しくて、るんるん答える。




『うん！大好き！！
プレイするのも好きだけど、作るのも好きだよー！
最近は、企画でキャラデザ…を作ってるって！！知り合いが！！』



思わず滑りそうになった口を抑える。
話しながらも手を動かす孤爪くん。

その動きは、もうプロだった。




『す、すっごい上手だね！
羨ましい…』



かちゃかちゃかちゃ、ともの凄いスピードでボタンが押されていく。
じゃあそろそろ行こうかな、と孤爪くんに、言って教室を出る。




『あ！ま、また話しかけても…いいかな？』



「…別に、いいけど」



ほんのちょっと、仲良くなれた気がした。

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