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「ホソクはどうしたの?メイク崩れた?」
悩ましい表情から一変、思い出したようにまたぱっと笑顔になって
「ヌナ!それちょーだい!」
私の手にあるネックレスを指さした。
「え?これは衣装だからスタイリストさんに聞いてみないと⋯」
それは、彼の撮影で急遽使われなくなったものでたまたま近くにいた私が預かっていただけだった。
「それ、ヌナのじゃないの?」
「うん、でもこれ素敵だよね」
元々彼のために用意されたものだからか、本当にデザインがぴったり。
私が今まであげてきたものとは違って、彼に十分見合うものだった。
なのに、
「やっぱりいらない」
「え、なんで?」
「ヌナのじゃないと、いらない」
⋯どういうこと?
デザインもブランドも申し分ないのに、私のじゃないからいらない。
「それって、どういう・・・」
「ホビー、確認するよー」
「はいはーい、ホビホビ行くよー!」
私の疑問は、カメラマンさんの一声によってかき消された。
彼もいつもの調子で返事をし、モニターに駆け寄るその姿を呆然と眺める。
私のものだから欲しいってこと?
⋯そんなわけないか。
「⋯やっぱり病気?」
跳ね上がって落ち着かない心臓に、首を傾げるほかなかった。
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作者名:UJu 。 | 作成日時:2022年2月18日 22時