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あの日から、少しおかしなことがある。
何でもちょうだいとねだって、私の周りをうろちょろし、距離をぐっと近付けてくるホソク。
何も変わっていないはずなのに、その度によく動悸を感じるようになった。
「⋯病院に行った方がいいかな？」
「えっ！ヌナ、どこか悪いんですか？」
雑誌の撮影中、シャッター音と共にフラッシュがたかれる中、先に終わったナムジュンが私の声に大袈裟に反応した。
「あ、いや。そんな大したことじゃないから」
「病気に大きいも小さいもないです」
「そうだけど⋯。最近ちょっと動悸が酷くて」
「動悸？」
「うん、例えば⋯」
「ヌナヌナ！！」
心配そうなナムジュンとの会話を劈くように、大声を発してこちらに走ってきたのは
先程までフラッシュを浴びていた張本人
「ホソク」
キラキラとした笑顔で私を見る彼は、撮影中のクールな表情とは正反対。
ほら、キューンと心臓が締め付けられて。
いたた⋯と胸に手を置くと、それに気付いたナムジュンは呆れたようにため息を吐いた。
⋯何よ。さっきまで心配してたくせに。
「ヌナ、いい加減気付いてください」
「何に？」
見ていられないといったように彼は返答することなく、背を向けてスタスタと歩いていった。
「何の話？ナムジュナは何て？」
「分かんない⋯」
ホソクと2人で頭にハテナを浮かべる。
ナムジュンの頭が良すぎるのか、私がバカすぎるのか。
⋯おそらく両方なんだけど。
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作者名：UJu 。 | 作成日時：2022年2月18日 22時
