Give Me【HS】 (ページ6)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:15,683 hit

▶︎ ページ6

.

「ほら、早く戻って。ダンス教えてあげなきゃでしょ？｣

「え？なんでそれ知ってるの？｣

俺の肩をぐいぐい押す手をとめてまたもや首を傾げるヌナに、俺も同じく首を傾げる。

だって、あの話は別に大声でしていた訳でもないし、むしろ周りで騒いでいたメンバーの声の方が大きかった。

結構離れた距離にいるヌナたちには、聞こえないと思うんだけど

「だって、ホソクのこと見てたからね｣

「⋯俺？｣

うん、と頷いて俺を見ながら微笑んだ。

「ダンスリーダーさん、とっても頼りにされてるから｣

監督よりも権限あるよ？とおどけてみせるヌナももちろん可愛いけれど、

今はそれよりも

「こういう時いつも、率先してアドバイスしたり練習したりしてるよね。今日もそうなんじゃないかなって思っただけだよ｣

こうやって、ちゃんと自分のことを見てくれているという事実が嬉しくて。

仕事が理由だと分かってはいるけど

あ、もう無理

「ヌナー！！｣

「ちょっと？！なにしてんの！｣

腕の中で暴れるヌナ。

なにしてるって、真正面から思いっきり抱きしめてる。

他のメイクさんはすぐ隣で起こっているこの状況を、またかといって呆たように笑っている。

最早公認となりつつある俺とヌナの関係は、スタッフさんたちが全く気にもとめない程

それ以上でもそれ以下でもなくて

「ヌナ、好き！｣

「うんうん。ほら、ジミンさんが待ってる｣

ぐいぐいと俺の背中を押すヌナ

好きは今日も届かない。