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「ヌナ、いつからいたんですか？」
「あぁ、ついさっき」
来ました、と言おうとしてホソクに白々しい目線を送られていることに気付く。
続けようとした言葉を慌てて飲み込むと、彼ははぁとため息を吐いた。
呆れてる、のかな⋯？
こんなホソクは初めてで、どうしたらいいのか分からない。
「⋯ホ、ホソク！｣
若干震えた私の声に、彼は視線を上げた。
あぁ、久しぶりに目を合わせて話している。
「もうすぐ誕生日でしょ？何か欲しいものある？｣
恥は捨てて、ストレートに。
何はともあれ、今は誤魔化している場合じゃないことは明白だ。
「うーん⋯」
「なんでも言って？」
「⋯なんでも？」
「うん」
「じゃあ⋯」
「うんうん」
「ヌナが欲しい、って言ったら？｣
「⋯え｣
静かな空間に私の間抜けな声だけが響く。
それはどういう意味かなんて聞くこともできず、聞こえた言葉に自信すらなくて戸惑うことしかできない。
目の前のホソクは目線を鋭く、口角を上げていたが、私の様子をみてふと崩すと、
「ふっ、嘘だよ！ヌナにはもういっぱい貰ったからお祝いだけして、ね？｣
「う、うん⋯｣
そう私の頭をぽんぽんと撫でると、スタスタと楽屋の方向へ歩いていってしまった。
その返答じゃ、納得できない。
それに、あのどこかぎこちない笑みも、距離感も、冗談には思えない目も、ホソクの全てが気になって仕方がない。
私からはもう何もいらない？
私なんてもう邪魔？
他の人が良くなっちゃった？
⋯あの場所は私のものだったのに。
なんて
「あああ！何考えてんだ私⋯｣
ぐるぐる、ぐるぐる、ずっと考えて。
心は晴れないまま、モヤモヤする。
慣れない嫉妬に振り回されて、
あぁもう散々だ⋯
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作者名：UJu 。 | 作成日時：2022年2月18日 22時
